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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

『蒼色推理』−雪銀館事件− 第三章「雪銀館の夜」 1の1

   

ひとまず、死体を安置させ、食堂の後片付けをする一同。
応接間組の全員が集まると、蒼野たちは毒入りワインの事件について話し合い始めた。
蒼野が探偵小説の知識を駆使して推理するものの、謎は深まるばかり。
先ほどの食堂での騒動で捕らえられた弟切(おとぎり)は、ジャーナリストの経験から、大江戸正宗の卑劣な過去を皆に向かって語り出す……。

 

 
 食堂での一騒動があった後、俺たちは各自で役割分担をして、食堂の後片付けと応接間に泊り込む用意をした。
 食堂では双馬さんと水波先生が料理と酒を片して、掃除をした。
 大江戸小雨の死体もそのままにしておくわけにはいかないので、とりあえず彼女の自室を死体の安置場とした。
 俺、黒井さん、古山警部で死体を運んだ後、執事室の倉庫にある電気ヒーターと寝袋を取りに行った。
 大江戸先生たちは何をしているのかわからない。もちろん食堂に戻って来たりはしない。彼らの気配はなく、物音もしなかった。館内は静かだった。
 俺は電話で気象台に天候のことを問い合わせた。
 どうやら吹雪は今晩から始まっているらしく、明後日まで山の天候が回復する見込みがないらしい。つまり、二泊三日を雪銀館で過ごすことになるそうだ。
 仕事が終わり、応接間に戻った。
 ぐるぐる巻きのままの弟切さんが俺たちを恨めしそうに見ていた。
 彼はこれ以上、抵抗してくることもなく、怪盗ルパンのように縄抜けなどはできないみたいである。
 しばらくして全員が揃ったら、黒井さんが鍵束を取り出してドアの鍵をかけた。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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