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童話

黒ずきんちゃんとオオカミ

   

赤ずきんちゃんのその後を勝手に想像した
ちょっとエロい
大人向けの童話です

 

 
 昔、赤ずきんちゃんと呼ばれ一世を風靡したあたしだけど、いつまでも子供のままじゃないってちゃんとわかってる?
 可愛いと言われて喜ぶ歳でもなくなったあたしが、ずきんの色を黒にしてから数年、今では森の中でもすっかり定着したハロウィンのイベント。
 黒いずきんを被っているからという理由だけで、ここ数年、魔女の仮装はあたしで決定という流れになっているの。
 毎日黒ずきんなわけだし、仮装にならないじゃない、これ――と言っても、あたしの主張は聞き入れられない。
 だって、あたし以外、動物とか妖精とか……とにかく人間はあたしだけ。
 森の中で暮らしていると世間離れに拍車かかって、今では森の妖精まで見えちゃうの。
 ま、そんな話はいいとして……世間的に知られている赤ずきんてどんな話?
 おばあさんのお見舞いに行って、おばあさんを食べてしまったオオカミをやっつけて、めでたしめでたし……だったわね。
 その後、そのオオカミと赤ずきんがどうなったかしっている?
 流れからして察しがつくと思うけど当然、下僕、主従関係にあるわけ。
 最初は憎まれ口叩いていたオオカミも次第にあたしの虜になったみたいで、森の妖精に「おいら、人間になりてぇ」と頼んだ――という噂があたしの耳に入るほど。
 妖精もそんな大それた願いを叶えられるはずもなく、今ではすっかり勝手に人間の男だと思い込んでいるオオカミがあわれだわ……と嘆いているとかいないとか。
 そんなオオカミがハロウィンの夜、あたしの前に姿を見せたのは、盛り上がるイベントの終盤だった。

 

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