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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

『蒼色推理』−雪銀館事件− 第四章「雪密室の謎」 1

   

死体が二体もあがったものの、依然として雪山から抜け出せない一同。
昨日、応接間組の全員にアリバイはあったのだが、自室組にはアリバイがなく……。

冷めた朝食を食べた後、それぞれは本日の活動に分かれた。
事件を捜査する者、自室で仕事をする者、朝食の後片付けをする者……。
蒼野は相棒の双馬や古山警部と共に、新しい事件を調べることにするのだった……。

 

 
 俺はさっきの大江戸先生の密室状況が気になっていたので気象台に電話した。案の定の答えが返ってきた。昨日、吹雪が止んだのは午後十一時二十分。それからしばらく止んでいて、午前九時三十分から再び吹雪き始めた。犯人がどういう意図とトリックをもって雪密室を完成させたのかは、まだわからないが、少なくとも足跡のない雪密室は事実として出来ていたようだ。
 また気象台は、山の天候が変わったらしく、吹雪は今晩ぐらいには静まる見込みがあると教えてくれた。気象台の新しい予測が正しければ、旧予測で俺たちは明日まで拘束されるところだったが、今晩には解放されることになる。これって、犯人にとっては誤算ではないだろうか。まさか犯人は天候まで操れないだろう。
 俺が気象台に連絡をしているとき、古山警部の方は警察に連絡をしていた。古山警部は長野県警に今までの事件の経過と新しく起きた二つの事件を伝えていた。もうこちらで事件を解決してしまいたいので、死亡推定時刻を割り出すために司法解剖の許可を貰えないか相談もしていた。長野県警からは司法解剖をやってもよいと許可が下りたそうだ。
 警察側もこの事件のことはとても気にしていたらしく、いつ、警察のヘリを雪銀館へ送ろうかと悩んでいたらしい。警察の方でも気象台には問い合わせていたらしく、吹雪が静まる予定の今晩には警察のヘリを迎えに向かわすという話も出たそうだ。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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