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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

『蒼色推理』−雪銀館事件− 第四章「雪密室の謎」 2の1

   2015年10月27日  

蒼野たちは、大江戸正宗が殺害されたと思われる彼の自室へ向かった。
現場は、まさしく足跡のない雪密室であった。
雪密室を議論する蒼野たち……謎は深まるばかりだ……。

 

午前十一時……。

俺たちは再び吹雪いてきた雪をまともに受けながら、館内から中庭の密室殺人の間まで歩いた。俺たちは離れの玄関で雪を叩いて、室内に入った。
大江戸先生の自室内部は午前九時前に俺が見た状況から何一つ変わっていなかった。
俺はこの密室殺人を発見してから現在までを時系列に従って思い出していた。もし、犯人がこの館内にいる誰かだとすれば、第三者が潜んでいなければ、この密室を俺が発見した後にいじることはできなかったはずだ。みんな食堂に集合していたか、俺と行動していたかだからだ。
昨晩の毒入りワイン事件から今朝の九時半頃まで姿を消していた宮沢先生は確かに怪しい。あの気が小さい宮沢先生にこんな殺人ができるとは思えないが。主観だけで判断するのは止そう。客観的に見て、アリバイがない宮沢先生ですら、この部屋のスペアキーは持っていないはずであるし、一晩中黒井さんが大事にそれをポケットの中にしまっていたわけで、密室を突破することはできない。スペアキーを持っている黒井さんが犯人であるとしても、彼には昨晩の応接間での鉄壁のアリバイがある。まあ、それを言うならば、この館にいる全員が犯人であるはずがないという結論になってしまう。しかし、それでは起こっている事件の説明がつかない。きっと何かトリックがあるはずだ。
俺は大江戸正宗が殺害された密室をぐるりと見回して、簡単に見取り図を書いた。

<密室の見取り図>
s5534-2

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