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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

44口径より、愛を込めて episode14

   

 魔夜に知らされる情報は、あまりにも残酷であった。目を覆いたくなる現実と、必死に向かい合おうとする。

 本格ミステリー!!
 44口径より、愛を込めて

 

 合成オピオイドから派生し、カルフェンタニルもしくはメチルフェンタニルをハロタンに溶解したものを、エアロゾルとしたものではないかと予想される。
 成分として考えられるカルフェンタニルはモルヒネの一万倍以上の効果を有する。噴射後約3秒以内に効果を発揮、約六時間意識不明にする。
 非致死性兵器とされていたが、二〇〇二年に勃発したモスクワ劇場占拠事件にて、一二九名が窒息死したことにより非致死性については疑問視されている。
 当初政府は、成分について公表せず。後日保健相が麻酔薬フェンタニルを主成分にしたものであると発表。しかし、詳細については未だ不明。
 フェンタニル。訓練研修で、聞いた覚えがある。確か、“チャイナホワイト”の事だ。別名“合成ヘロイン”“ヘロインのデザイナードラッグ”と呼ばれる合成麻薬。時として、麻酔、鎮痛、癌性疼痛除去として使用され、経口モルヒネが使えない患者に有用されるものだ。麻薬としては、同量でヘロインより効果が高く、ヘロインに混入されているとも言われる。
 ここにも、ヘロインの名前が。と、呟く。
 ヘロイン、俗名“ペイ”。モルヒネに塩化アセチルを作用させて得られる半合成アルカロイド、ジアセチルモルヒネの事を指す。ヘロインとは、ドイツで販売された際の商品名だ。
 モルヒネが癌性疼痛を主とし、疼痛緩和目的で使用されるのとは別に、ヘロインはモルヒネより脂溶性に優れ、強烈な麻薬作用を引き起こす為、厳しく規制されている。依存性も極めて強い。傾向としては、慢性膵臓炎等の激痛を伴う病気の際に手を出し、そのまま依存者となる場合が極めて多いと言われている。
 犯人グループについてのページに移動した。
 コーラカル・アヂーン大量虐殺事件、第一次の犯人は全二十五名。全員身元不明の為、国籍はアジア系と以外判明せず。恐らく、密入国者と考えられる。逮捕後、犯人達の身体検査を行うと、全員ヘロイン各約四十~六十グラム、およそ三十六~五十四万円相当を隠し持っていた。薬物検査については、全員が陽性。ヘロインの強い依存性を示す。事件については、ヘロインによる幻覚、妄想、錯乱、不安や恐怖の消滅、快楽が引き起こしたものだと推測される。他、動機は不明。拘置及び取り調べ中に起きた、非常に強い禁断症状により全員死亡した為である。
 犯人達がグループで生活していたと思われる無人倉庫(第二次倉庫は、第一次倉庫より直線距離にして約五百メートル南)を、港の倉庫街から発見。中から約二十三キログラム、およそ二億七百万円(第二次の際は、二十七キログラム、およそ二億四三百万円)のヘロインと約六百グラムのコーラカル・アヂーン(第二次の際は、約四百グラム)が見つかった。尚、第二次に関与した犯人は全二十七名。以下、第一次と同様。第一次、第二次共に、犯人全員が武器としてHK-MP5を所持。
 とある。そして、倉庫の場所に印された地図が貼り付けられ、犯人の顔写真が全員分載せられている。写真の下には、各犯人の特徴である身長、体重、血液型、健康状態等が、事細かに明記されている。
 後に続く記事として、賢木田の名前が目に入った。
 暴力団幹部、賢木田雄也の組員三名(第一次後二名、第二次後一名)を、ヘロイン密売により麻薬取締法違反にて逮捕。入手先とし、港の無人倉庫の場所を自白した為に発覚。賢木田の組を捜査するが、ヘロイン及び薬物は発見されず。賢木田雄也及び組員全員の、薬物検査結果は陰性。
 予てより、政治家、坂下勝次、秘書、色摩太朗との接触が問題視される。賢木田、坂下、互いに友人関係、色摩に関しては、坂下の付き添いであると主張。
 犯人グループ倉庫の発見された倉庫街近辺のエヌシステムより、坂下所有車のナンバーが確認される。
坂下の事務所及び坂下、色摩の家宅捜査を行うが、薬物は発見されず。坂下、色摩の薬物検査結果は陰性。

 

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