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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season5-1

   

 少年少女は、自由を夢見て青く広がる空を見上げながら、自分たちの置かれている状況を逃げ出したい想いを話していた。

 しかしそんなことはできない。自分たちは実験材料だと、あきらめていた。

 かすかな願いを込めて、少年は計画を練った。現状打開を望み、期待をこめて探偵に願う。

 だが、それは序章に過ぎない大きな事件の発端だった。

 御影が目を覚ますと、真っ白な空間で寝かされていた。記憶がなかった。思い出すまでに時間がかかる。
 ある人物の登場で、昨夜のことを思い出した。

 山梨県にいる事実をのみこめないでいるが、ここで依頼人が収容されている少年の脱出計画の手助けをすることになった。

 御影、川上、大地の三人は、ひとりの少年の強い想いを受けた小柴が命令を下した。

 探偵とは依頼がきたら確実に遂行せよ。

 同じころ、氷室もまたずっと警視庁に協力していた事件を追っていた。
 ひとりの有力な人物を逮捕したことで、暴力団の影がある施設とつながっていることをつきとめた。

 

「ここからでたい」
 少年は訴えていた。青く広がる世界を見上げながら。

「でも、どうやって?」少女はたずねる。

 白い塀は、周囲の外部、内部の者が出入りするのに監視があり、アポイントメント、身分証の提示から管理されている。まるで、なにかを隠すかのようにうつる外部からの城壁。高さ20メートルもあるせいで、田舎の古城のように君臨するその圧迫感は、周辺住民への懸念を抱かせる。
 そして、内部からはこのさき二度と外の世界と関われないのでは、と空虚な片想いだけが胸を占めて、いつまでも夢をみている。

「おれたちは、情けない実験材料のハムスターとおなじだ」

「それをいわないで、希望を捨てないでほしい。じゃないとわたしはもう生きていけない」少女は肩をすくめた。

「すまない、ナギサ」少年はナギサを見つめた。

「いいの。ノブオくん」少女はノブオを見つめた。

 ふたりは目を閉じた。そしてたがいの唇の温もりと感触を確かめあった。

 だが、突如として、ふたりは引き離される。

 悪夢のはじまりのように。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season5 <全7話> 第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話

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