幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ノンジャンル

会社学校〜ゼッピョと一緒〜 第4号

   2015年11月24日  

会社のような、学校のような
社員のような、生徒のような

営業部第二課チームBの五人はとっても仲良し。今日も彼らはつまらない会話で一日を彩る。

チームB人物紹介

凡内ゼックン、B型。
裏表がはっきりしていて、人付き合いではすぐに分厚い壁を作る習性がある。つかみ所がない。

細岡ピョロン、B型。
効率主義者で面倒臭がり。ゼックンとは幼馴染で親友。二人は双子並みのシンクロ率を誇る。

普口カブー、A型。
誰もが認める美男子。誠実な人柄として定評があるが、本当は言葉使いが悪く、冷酷である。

軽沢トッツ、O型。
馬鹿と天才は紙一重。上下関係という概念が一切なく、とんでもない爆弾発言を軽々しく吐く。

倉須川クラス、O型。
大きな声と関西弁が特徴。非常に気が良く、裏表も嫌味もない性格。人の悪口を一切言わない。

※本作は、登場人物の会話のみで進む物語です。

 

恋と便意。

ピ:さっき営業の帰りに、おばさんがトイプードルと散歩してたんだけど、おばさんがビニール袋持ってんの
ゼ:うんこ取り用じゃない?
ピ:あんな可愛いトイプードルがうんこなんてするかね?
ゼ:うんこするし、毛に絡まったりするだろうね
ピ:あの可愛いワンちゃんからうんこが出るなんて考えられない
ゼ:可愛いワンちゃんもうんこはするし、人気アイドルだっておしっこ失敗してズボンべちょべちょにしちゃうと思う
ピ:そんなわけないだろ
ゼ:…じゃぁおばさんがしたんじゃない?
ピ:やっぱりそうか。俺の読み通りだ
ゼ:俺も気になることがあるんだけど…カブー君いい?
カ:なんですか?
ゼ:昨日の手作り弁当見て思ったんだけど、彼女できた?
カ:あぁ、はい。先月から付き合ってます
ゼ:やっぱり!おめでとう!
ピ:マジかよ。その彼女さんは、好きな野菜は果物に例えると誰に似てるの?
カ:聞きたいことがごちゃごちゃになってますよ
ゼ:彼女さんはトゲって言う派?ソゲって言う派?
カ:そんなの聞いてどうするんですか
ピ:身長は竹でいうと何年くらい?
カ:二人とも何言ってんですか
ゼ:ピョロン、いったん落ちちゅけ
ピ:ゼックンこしょ噛んでるにゃんけ
カ:……。
ゼ:ふぅ…動揺しちゃった
ピ:恋と便意は唐突だからな。んでトイプードルがさ
ゼ:え?そっちのどうでもいい話に戻すの?
ピ:イケメン王子ってみんなに呼ばれるカブーなんだから、彼女がいたっておかしくないだろ
カ:ピョロンさんは彼女作らないんですか?
ピ:俺はほら、恋愛とか面倒臭いし
カ:この前ハンバーグの店に行った人とはどうなったんですか?
ピ:ただの同僚だし、別に恋愛とは関係ないし。俺は付き合うとか好きとか、面倒なことはしたくないんだよ
カ:そうなんですか。でも、寂しくなったりしませんか?
ピ:寂しくなったらやればいいじゃん。甘いもの食べたいなぁって時あるじゃん?恋愛なんてそんなもんだよ
カ:…そ、そうですか
ゼ:……。

カ:ゼックンさん、あの…
ゼ:あぁ、さっきのこと?
カ:ピョロンさん、なんか怒ってましたよね
ゼ:気にしなくていいよ。ピョロンは恋愛にちょっとしたトラウマがあるんだよ
カ:そうなんですか
ゼ:ごめんごめん、俺が早めに止めれば良かったね
カ:しばらく気まずくなりそうですし、おとなしくしています
ゼ:あーそっか…どうしよっかなぁ。重い話だしなぁ
カ:……。
ゼ:5年くらい経つかな。ピョロンは付き合ってる人がいたんだけど、結婚するとかしないとか言ってる時に、彼女さんを事故で失っちゃったんだよ
カ:…マジですか
ゼ:ピョロンがなんかすげー高いバッグをプレゼントして、彼女さんは嬉しくて毎日持って出かけてたんだって。んである日、後ろから来たバイクにバッグを奪われそうになったの。必死で抵抗したら、そのまま引きづられて命を奪われてしまったんだ
カ:……。
ゼ:ピョロンは相手の親御さんに、お前のせいだ!とか言われて、葬式はもちろん、線香一本あげてあげられなかったみたいだし、お墓の場所も知らないんだよ
カ:…そうだったんですか
ゼ:恋人の命を奪った少年A。その親、警察の対応や日本のルール、恋人の親、冷たくなった恋人。すべてが自分とは無関係だと思い知らされたピョロンは、すごい落ち込んじゃったんだ
カ:むごい話ですね…
ゼ:何年か経って恋愛に前向きになろうとした時期があったみたいだけど、人妻とか彼氏のいる人とか、誰かに守られている人にしか近づけなかったりで、なんか大変みたい
カ:自分が面倒見たくないからってのは何回か聞いていましたが、そういうことだったんですね
ゼ:ただの美味しいとこどりで面倒はカットしてるって本人は言うけど、そういうことなんだよ
カ:ゼックンさんは、今までピョロンさんにどうしてたんですか?
ゼ:できるだけあいつの世界に参加してようって思って動いてるよ。それくらいしかできないし
カ:…そうですか
ゼ:カブー君もこの重い話を聞いたんだからもうこっち側なんだし、ピョロンのいる世界に参加してあげてね
カ:あ…はい
ゼ:ピョロンは、ネガティブシュールの宿命を持つ一人の社会人だから
カ:なんですか?ネガティブシュールって
ゼ:なぁに、そのうちわかってくるよ

ピ:こんなとこで何話してんの?

カ:あ…
ゼ:あ、ピョロン。あのね、ピョロンの昔のこと、カブー君に話しちゃった
ピ:おま…なんでそんなことするんだよ
ゼ:カブー君が気まずいままでいるのは可哀相じゃん
ピ:余計に気まずいし、俺が可哀相になるじゃんか
ゼ:気まずくはならないけど、ピョロンが幸せになるまでカブー君はピョロンを心配し続けちゃうね
カ:……。
ピ:お前なぁ…関係ない人に余計なこと思わせたくないんだよ
ゼ:関係なくないじゃん。カブー君はこっち側。そんな寂しい言い方するなよ
カ:そうですよピョロンさん。身内は大事にしてくださいよ
ピ:もう…身内ってなんだよ
ゼ:今回の恋がうまく行くように、俺ら二人で祈ってるからね

 

-ノンジャンル
-, , , ,


コメントを残す

おすすめ作品