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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season5-4

   

 囚われた御影が目を覚ますと、寝台に寝かされていた。見渡すと施設のスタッフと兵頭に囲まれていた。

 色男の兵頭院長が狂乱を演舞する姿に一喝する御影。それは数多の罪とこの施設の印象を照合させて見出した探偵ならではの発想からの推理。

 院長は御影を凝視する。裏切り者のスタッフ萩沢からなにかふきこまれている様子を、御影に問う。
 だが、答えるまえに、御影に暴挙を食らわす。

 悶絶する御影は、兵頭の真意をたずねる。

 萩沢は殺したことを認める発言をする。そしてこの施設がどういう目的の場であるかをくちにする。

 地下2階があることを知ると、そこにはこの施設の秘密が隠されていた。

 すると監視の目が緩まった隙に依頼人の少年が御影を解放した。

 少年は小柴と連絡をとっていた。そして少年とともに新たな脱出計画を御影につたえる。

 

 光に照らされて強制的に意識を呼び戻された御影。

「まぶし! どこだ?」御影は目覚めた。こういう不快な目覚めはきょう二度目である。

 見渡すと傾斜になった寝台で寝かされていた。だが、手足を拘束されていた。

「おお、スパイで捕まったような状況だ。これは拷問か──」映画でしかお目にかかれない貴重な体験を御影は実体験している。

「悠長なことを」
 御影を取り巻くように、白衣に身を包んだ人間が数名、目にはいった。

「だれだ!」御影はお決まりのように呼びかけるが、わかっていた。

「わたしはこの施設の院長の兵頭です。お初にお目にかかる、が昼間遠目だがお会いしていますね。お話ししたのはあなたの連れの男性だった。女性もいたようだが、ひと言も話さなかった。人見知りのようで」兵頭は凛々しい重低音のきく声で御影に話しかけた。

「ああ、そうか。あんたが兵頭院長ね。昼間はお世話になった。だが、なぜおれをこんなところで拘束されなきゃならんのだ?」御影はにらみつけていた。

「そのような目つきはよしたまえ、人見知りなのかな、あなたも?」

 大地のことをいっているようだが、いたくお気に入りなのか。

「そんなのどうでもいいから、外してよ。夕食にしようよ。なに食べるの?」御影は囚われの身の意識はない。ここから拷問されることなどありえないとわかっているからだ。

 大笑いをする兵頭だった。「残念だが、夕食は終わった。あなたは本気で助かるとでも思っているのか、状況を見ればわかるでしょう」

「どういう意味だ?」

「あなたはもうここから出られない。出さない。しかるにここの患者として奴隷になってもらおう。そして、健康そうな若者であるあなたの体をいただく」兵頭はいった。

 すると、数人の白衣を着た人間が囲うように御影を見下ろしていた。

「ちょ、ちょっと待てって、どういうことだそれ?」御影はやや脅えていた。

「この場所に潜入してきた捜査官かなにかだろう?」御影の顔に近寄る兵頭。かなり間近でみた御影は、兵頭は相当なイケメンであった。

「濃い顔だな。だが、なんとなくうさんくさいな、そのルックスと重低音の声、そして温厚そうな振る舞いが、なにかよからぬことを企んでいたとしたら、騙されるよな。あんたがやっている詐欺行為にな」

 御影は推理をしたわけではない。犯罪からくる数多の罪状を考え、こういう施設での活動をさらに照合させる。それによって導き出された探偵としてのセンスから、見出した答えのひとつとして、問いかけてみたのだった。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

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