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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season5-6

   

 窮地から一転、花火作戦で逆転し、兵頭の狂気から解き放たれた。

 一階でも花火は飛び散り、施設のスタッフは騒ぎに脅えて門を開放した。

 そこにいたのは、川上、大地だった。

 派手な演出に、御影のしわざだと思ったが、ふたりの背後から呼びかける男の声。

 まさかの人物の登場に、驚愕する。

 御影は兵頭の悪鬼を阻み、床に倒れているすがたを横目に、隣のガラス張りの部屋にいる男を見た。

 萩沢が寝台に寝かせられ無残な死を遂げていた。

 この施設の最大の目的に気づいた御影。

 とんでもない結論に青ざめた御影は、少年の運命がどうなっていたかを思うと背筋は凍りついた。

 ふたたび院長は、起き上がり対抗する意思をみせる。だが、少年と御影のアイコンタクトで瞬時に抗うだけの作戦を伝達し、撃退した。

 

 花火はいつのまにか、地下2階を龍のようにのたうちまわり、階段をも上っていく。あちこちで暴発している。
 その騒動ときたら、驚異であり、スタッフも騒ぎに気づいて逃げ惑っていた。

 完全に戦力ダウンになっているスタッフ。院長の思惑は総崩れだった。なんといっても腰抜けのスタッフの集まりだったことを見抜けていなかった。

 悪事をしていることの引け目だろう。院長は自分よりも腕っ節のあるものを配下に置かなかった。いわくつき、なにかしろの後ろめたい者ばかりが集められていた。総力戦になれば、一網打尽になるのは施設側にあることを考慮していなかった。

 高く分厚い壁に守られていると過信していた。中に入られたら、院長以外はすべてクズ。なんら戦力にならない。それを考慮すべきだった。
 もっとも、ここまで深手になることを予想していなかったのだ。絶対的な壁。これを崩壊する算段があることを想像していなかった院長の完全たる敗因、敗北であった。

 一階にまで花火の猛威は飛び散り、城壁の門を開いてしまったスタッフがいた。

 唐突に飛び出した眼前に、ふたり佇んでいた。

 川上と大地が外でレンタカーに乗って待っていた。異変に気づき、門の前で待っていた。そして開かれた門から飛び出してきたスタッフを取り押さえた。そのままふたりは通り抜けていった。

「待ってたぜ、出番だ」川上はいった。

「はい、危機回避は微塵も感じません。行きましょう」大地がいった。

 ふたりは胸を張って進撃する。

「まったくド派手にやってくれるね、うちの見習い探偵さんはよ」川上はいった。

「そうですね。彼にはめずらしいアイデアです」大地も同感だった。

「ちがうな」ふたりの背後にいる人物が呼びかけた。「これはわたしのアイデアだ」

 川上と大地は驚愕していた。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season5 <全7話> 第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話

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