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ラブストーリー

遠い道のり 前編

   

私は小学校の教諭。高校の同級生だった浅野弥生は父親の後を継いで議員となり、若手論客として地位を固めつつあった。
若い頃、私たちは将来を誓いあったが、事情が許さず、願いは叶わなかった。
10年以上の時を経て、再会したが、素直に向き合うには時間が必要だった。やがて・・・

 

ふっと肩のあたりが軽くなったような気がした。
薄ら明かりの中、時計をみると、まだ午前5時前だった。

「ごめんなさい。」

布団のずれる音に気がついた弥生が振り向いてくれた。
私を起さないようにと寝床をそっと抜け出し、着替えているところだった。

「行くのか?」
「ごめんなさい。午前7時から朝食会だから、5時半には戻っていないと・・」
「そうか・・体を冷やさないようにな。」
「うん、ありがとう。テレビ、見ててね。」

そして、弥生は小さく手を振ると、部屋を出て行った。

  そろそろ布団は別にしないとな・・

八畳間に敷かれた布団はいつもの通り片方しか使わなかった。

  5時か・・もうひと眠りできるな。長い一日になるから・・

ここなら小学校まで30分もかからない。午前7時まで眠っていても大丈夫だ。私はまどろみを楽しむように浅い眠りについた。

 

-ラブストーリー

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