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SF・ファンタジー・ホラー

RAT <三十六>

   

 捜査打ち切りのウソの報道を流すことで、廣瀬をおびき出せるんじゃないか? しかしそれではまた被害者が出る。俺は頭をひねっていた。

 

 
「サイコパス。精神病質。反社会性パーソナリティー障害。これらは精神障害でありながら、先天的な物。多くは前頭葉の一部が機能してないと考えられています。その為、責任能力の欠乏、罪悪感の皆無、良心の欠如、虚言癖、口達者で魅力的、他人に冷淡で共感しない等が挙げられます。どうですか? 皆さん。廣瀬はこれにまるっきり当てはまりますか?」
「当てはまる部分もありますがぁ、口達者ではなかった。責任能力はどうなんですかいねぇ?」
 金丸が、眠そうな目をこすり発言した。
「そこなんですよ。廣瀬は猟奇的で殺人を楽しんでいる。しかしサイコパスには当てはまらない。他人に冷淡で共感しないってさっき言いましたが、廣瀬は服部に共感している。その時点でサイコパスではないんです。突発性と云う特徴もありますが、果たして廣瀬は突発的にマシンガンを乱射したのでしょうか? 突発的に松本さんを殺したのでしょうか? 廣瀬は知能犯にして愉快犯。知能指数はかなり高いものとして考えて良いでしょう。目的は自分が追い詰められること。山根さんに捕まるか捕まらないかの瀬戸際を楽しんでいる。逆に言うと、もし山根さん達が廣瀬の捜査を打ち切ったと嘘の報道を流せば廣瀬は必ず行動にでる。でもこれでは被害者が出る。そこで皆さんの意見を伺いたいのですが……」
 皆、一斉に腕組みをし、頭をひねっている。無理もない。俺もこれより先はどうしても考えられなかったからだ。どうすれば廣瀬を炙り出せる? どうすれば服部の陰謀を阻止できる? 
 高崎が挙手し話し始めた。
「仮に捜査打ち切りの嘘の報道を流したとして、廣瀬はどの様な行動に出るのでしょうか?」
 それは容易く予想できる。

 

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