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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season6-2

   

 高学歴者の若き社員が行方不明になっている。そいつを捜せというのだ。

 ほかの社員からしてみたら放置でいい。なんといっても周囲を見下すような男だ。そんなやつに温情を与える必要はない。

 彦根課長は行方不明になった下田の親御さんから叱咤をされる。

 親まで中小企業を見下しているのだ。

 事務員の女性、五藤が工場長に助言して、氷室探偵事務所に依頼することを薦めた。警察は頼れなかったからだ。

 但馬工場長は納得して投函した。そして御影たちが訪れるが、結果的にしてみたらとんでもないことになってしまう。

 浅草の下田社員の自宅へ、四人は向かう。御影、森谷、工場長の但馬と機械部リーダー上倉だ。

 自宅に入り捜索する。すると違和感がすぐにあった。御影はそこから早期犯人と、その犯人がしでかしたこと、つまりが下田殺害を推理する。

 そして、その場にいる犯人を示し、自白させた。

 物的証拠につながるものはいっさいないが、状況証拠として犯人だと示した。

 しかしそれは、御影にとって苦渋の結果になってしまうのだった…

 このとき森谷の様子もいつもとちがっておかしかった…

 

「失礼します」女性社員が入ってきた。五藤という社員だ。冷茶を持ってきてくれた。

 御影もちょうどのどが渇いていた。森谷はニヤニヤしていた。汗が出た分、補給したいのだろう。なんせ、着ぐるみなのだから。自分を守るためにボディースーツと顔は変装をしている。

 御影はもう見慣れた姿だから森谷の体調の心配などはしない。夏のあいだまでこの格好とは、真の探偵に妥協なし、と無言でいわれていることに、いつも見習いの御影は先輩を見習うようにと注意されている気分になる。

 全員に冷茶を置いて、五藤がそこまでの会話を聴いていた。

「それでわたしが、助言しました」

 23歳だからか、怖いもの知らずなのだろう。この切羽詰った空気であっけらかんとした性格は驚異である。

「いま、人気の氷室探偵事務所に依頼してみたらどうですかって?」

 工場長はしらなかったようだが、いまどきの若い女子には広まっていた。

 御影は納得するようにうなずいていた。森谷は冷えたグラスのなかの冷茶をごくごく飲んでいた。

「ありがとうございます。そういっていただけると我らも励みになります」森谷の口調は社交的になっていた。

「でも警察にも相談したんです。工場長が…」五藤は輪に入ろうと話を止めない。

 工場長は警察に相談していたが釘を刺された。「仕事がいやで、ただ旅行にいってるとか、あるしね。いまの若い連中は──」捜索願いを出したが、警察は本腰を入れず。

「なるほど、そこで依頼がきたわけだ」御影はいった。

 結局、探偵という思考にたどり着くのだ。

 五藤は、彦根がもうもどりなさい、といって応接室のひまわりのような明るい女性を追い出した。

「すみません、騒々しくて」

「いえ、ぜんぜん」御影はいった。内心思っていた。この暑苦しい空間に耐えられずにいたのだ。

 

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