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さよならピクニック プロローグ

   

以前、こちらのサイト(幻創文庫)で「終焉の破片」というタイトルで投稿させていただきました小説の完全版です。
この作品につきましては、かなり更新が遅くなると思います。
そしてかなり、鬱な物語になりそうです。
それでももし、お付き合いいただければ…幸いです。

 

 私はポケットから携帯電話を取り出すと、メールが来ていないかチェックする。
 誰からも、メールは届いていない。
 当然か。
 私が生きていようが死んでいようが、あの女にとってはどうでもいい事…ううん、それ以前に、存在している事すらどうでもいいのだから。
「誰にメールしてたの?」
 頭が半分ハゲあがったオヤジが、猫なで声で私に話しかけてくる。
 こいつは、さっき私を引っかけたオッサン。今夜はこいつの金で、ホテルに泊まる予定。
「友達」
 無表情で答える私。
 愛想よくする気にもなれない。
「それって女友達? だったら今から呼んじゃえば?」
 私の髪を撫でながら、オヤジは鼻息を荒くする。
 乱交狙ってんだろう。
 ふざけんな。
「私と違ってマジメな子だから無理だよ」
 私は適当にあしらう。
 もう、この手の男に対して嫌悪感は沸いてこなくなっている。
 男なんて、みんな一緒。
 女の穴に、突っ込みたいだけ。
「真面目な子か…興味あるね」
 バカオヤジの顔が、ますますだらしなくなった。本当にバカ。猿以下。
「お腹すいた」
 私は不機嫌な声で、訴えてみる。
 本当はお腹なんて空いてないし、どっちにしても食べられない。でも、ホテルに入るにはまだ早い時間だから、そう言った。
「何が食べたい?」
「寿司」
「それじゃあ…」
「回転すんのは嫌」
 素早い返答に、オヤジがむっとしたのが判った。
 回転するのだと、あっという間に食事が終わってしまう。
 なるべく、食事で手間と時間を取らせたい。できれば、カラオケにでも連れ回したい。でないとその分、ベッドの中の時間が長くなるから。

 

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さよならピクニック 第1話第2話

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