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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season6-3

   

 御影の推理が外れた。竹の塚警察署に出向く。そこで刑事たちに上倉のことで質疑応答がある。
 犯人だと自白させた経緯をしりたい。そう言うのだ。

 郷田警部は証拠もないのに、上倉は自白したのには、逆におかしい。言い逃れができる状況だ。まだ確証がない。それなのに自白している。
 警察の見立ても筋が通っており、犯人はべつにいると断言していた。

「上倉がしたのは掃除だけだ」

 完全に真犯人がほかにいると対立したが、御影は非を認めている。

 いきり立つ御影は森谷とともに調査を再開した。

 的葉部品工場の彦根課長に上倉が犯人ではない、と話した御影。
 彦根はこれまでにないほど安堵していた。

 ほかの社員に聴きこみしたいと申し出た。もっと人間関係を探る必要がある。下田という人物像もなにも御影はしらない。そういう情報不足から、痛手をくったのだ。

 御影はほかの社員から恨まれていた。社員一同信頼をされていた上倉のことを犯人として追い詰め、逮捕させた。
 その名誉は潔白だったとしても、汚点として周囲は見てしまう。

 御影は目に頼りすぎていた。探偵の本分は調査である。

 

「まちがっていた、どうしてだ、推理がまちがっていた。それはつまり──」御影は車を運転しながらぼやいていた。

「前を見るのだよ御影くん」運転に集中できていない御影に注意をする森谷。

「つまりが、下田を殺したのは上倉ではなかったということですよ!」御影は森谷にむいた。

「こっちをむくのではないのだよ。前を──」森谷は慌てる。

「だいじょうぶです。冷静ですよ。情報認識に衰えなし」御影はいった。

「とりあえず警察に会うことがどうやら先決。理由はわからんが、逮捕された上倉さんがなにか発言したことに否なることが含まれていると警察はみているのかもしれないのだよ」森谷は静かに語った。

 足立区、竹の塚警察署に逮捕されている上倉容疑者。

 担当刑事は、郷田 常次(さとだ つねじ 34歳)、足立区竹の塚警察署警部と、槌谷 晃(つちや あきら 29歳)、足立区竹の塚警察署警部補だ。

「こんにちは」森谷は恰幅のいい体形であいさつした。

「どうも」郷田はどことなく気負いな態度だった。有名な探偵の仲間だ。どんな指摘をされるか恐れているような顔で森谷をみていた。

「森谷といいます。氷室探偵事務所からきました。なにかお話があるとかで、あっ、こっちはおなじ探偵の御影くんです」

「よろしく」御影は簡潔にあいさつした。

「わたしは郷田警部です。それは相棒の槌谷警部補です。ふたりでこんかいの事件を解決されたということですが、ちょっと意見を直接ききたくて起こしいただきました。ご足労かけます」

 槌谷は無言のまま頭を下げた。

「経緯をしりたいのです。どうも彼が犯人だとは信じがたい」郷田警部は予想外なことをいった。

「あのー、われわれの推理がまちがっているということですね?」御影はいった。

「いえ、そのーなんというか、とりあえず意見をきかせていただきたい。ちがいます、まず犯人だという結果にいたった経緯をしりたいのです」郷田警部は厳かに話す。どこか遠慮気味が気になる。

 御影は憤慨していた。にらみつけてもいた。

「わかりました」森谷がいまにも飛び掛ろうとしている御影を制するように、前にでた。

 ふたりは説明した。

 森谷はいった。「冷茶をいただけますか?」

 

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