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ショート・ショート

玉砕

   

 仲がよくて気が合って。最初はそう思っていた彼女との友情が壊れるまでの話。

 

 
 近すぎて見えないものがあるのだと思う。
 灯台下暗し。ことわざはあまり得意ではないけれど、これだけは知っている。あとは烏合の衆とか。全く関係ないけれど。

 近眼だったら、遠くになるほどものが見えなくなるから、より近くが見える。
 最近の人は眼鏡をかけている割合が高い。老眼鏡ではなくて、普通の。だから近視の人が多い。
 でもきちんと目の前のことを捉えられているかといえば、そうでもない。遠視の人の方が割と目の前のことを捉えていることもあるのかもしれない。

 なぜこんなことを思ったのかといえば、ふと思い出したことがあったためだ。かつての、学生時代の頃を。
 学生時代といっても、思春期真っ盛りの中学生や高校生ではない。もう少し大人になった時のこと。
 少し変わった友だちがいた。無論、客観的に見れば何一つ変わったところはなかったのかもしれない。よくよく考えてみれば、誰だって同じようなものだった。でも誰も表面に出さなかっただけ。その友だちだけが甚だしく表面化していただけ。
 いやよくよく考えてみたら、自分も似たようなものだった。

 これは近すぎて見えなくなった、かわいそうで愚かな女の子の話。

 

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