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童話

ルナードアイランドストーリー <三>

   

 おじさんを探すために灯台の山へと向かった。そしてロノはおじさんを呼ぶ為の策をティアに耳打ちする

 

 
 元々はミルクの様に真っ白に塗り上げられてあっただろう灯台は今は潮風にさらされて赤黒くそびえ立っていた。入口の片方のドアは朽ち果て、もう片方は斜めに歪んでも何とか耐えていた。入ったすぐの場所に一台の大きなピアノがおいてあった。

「夜は真上に月が出てピアノを照らしてくれるんだ。いつ、誰が持ってきたピアノか分からないけど、弦もサビずにずっとここにあるんだ」
「凄い! ロノのお家のピアノよりとっても大きいね。ねぇ早く弾いて! 楽しみ」
 確かにそのピアノは大きく立派なものであった。しかし果たして音が出るのか? 不安になる位ボロボロだった。淵はこすれて、木の木目が見えていて、鍵盤は平面ではなくガタガタとした、なんとも言いようのない程朽ち果て様だ。
「じゃぁ、弾くね。」
 ロノは手首をぶんぶん振り回し、一度せき払いをして、静かに鍵盤に指を置いた。
 吹き抜けになっている灯台の壁に音がぶつかり合いながら頂上にむかって駆けっこを始めた。
 暖かい音色は海の果て、何処までも響いていきそうだ。
 ティアはウットリと目をつぶって聞いている。
 鳥たちも、山の木々達も、ロノのピアノを聞き入っているかの様に静かだった。
 弾むような、しっとりとした、その音色は働きアリ達もが立ち止まる。
 しばらくして、ガコッガコっとブーツで床を踏みしめる音が聞こえてきた。

 

-童話

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