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ラブストーリー

レンタル彼氏(2)

   

友人のしおんに聴いて、時分でも「レンタル彼氏」を経験してみたくなった由香里だが、久しく男性と接していない由香里にとっては全てが夢のような出来事で…

 

由香里は、ネット上で、様々な「レンタル彼氏」を行っている事務所を検索してみた。
大半は「レンタルタレント事務所」となっていて、所謂「レンタル彼氏」と称されている男性は全て「タレント」と言う事になっている。
「レンタル彼氏」を扱っている事務所は、新人の「トレーニング」と言うランクがあり、その上がフレッシュ、レギュラー、プレミアムとランク分けされている。
利用料金はランクによって差はある物の、1時間1万円程度が相場で、予約は2時間以上からとなっていた。
『なるほどねぇ。これだけイケメン揃いならお金払っても御姫様になりたくもなるわねぇ。』
と由香里は一人で納得していた。

その中の一人「サトル」と言う男性に目が言った。
見た目はそれ程派手ではなく、黒髪のサラサラヘアが印象的だった。
ざっくりとした、白いニットにジーンズ姿で、少しまくり上げた袖から伸びる男性的な腕の筋肉に魅了された。
『あの手で、手とか繋がれたらどんななのかなぁ。やっぱりあったかいのかなぁ?』
由香里の妄想はどんどん広がって行った。

それもそのはず。
29歳になる現在は、彼氏いない歴、既に3年以上は経っていた。
大学時代に付き合っていた彼氏は、就職と同時にお互いの時間の都合や、価値観の違いから、いつの間にか自然消滅してしまった。
その為、由香里の身体からは、すっかり「男っ気」は消えてしまっていた。

男性と手を繋ぐことは勿論、最後に会話をしたのはいつだろうか。
そんな事をぼんやりしながら考えていた。
階下から母の
「さっさと、お風呂入っちゃいなさーいっ!」
と言う声で、ハッと我に返った。
由香里は一旦、ノート型パソコンを締めると、風呂に入る為に階下へと降りて行った。

階下のリビングでは父と母がソファーでくつろいでいた。
そろそろ寝ようとしていたのかテレビは消されていた。
由香里が風呂に入ろうとすると母親が
「今日は、誰と一緒だったの?合コンとかは最近したりしないの?」
と聞いてきた。
父親は黙って新聞に目をやりながら聞き耳を立てているのがこちらからも良く分かった。

 

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