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SF・ファンタジー・ホラー

ウパーディセーサ〈二〉

   2016年2月17日  

政府や秘密結社、大財閥そしてアメリカやロシアが結託して、大々的に人類を削減しようたるものである。先進国へは携帯電話、メールを用いて電磁波的ダメージを与える。途上国へは細菌テロ。日本の最大人口を一万五千人までに制限するというものだ。

 

 
 辺りはもう真っ暗だ、まだ夏の青々しい匂いが香る夜道を独りで公園に向かう。公園の東屋まで、入口から少し距離がある。春は桜に花菖蒲、夏の終わりには彼岸花。一応観光スポットなのだが、街灯なんてない。月の灯りを頼りに、泥にはまらないように。慎重に東屋へ向かった。
 時刻は九時二十分。少し早く来すぎたかと、おもむろに胸ポケットからタバコを取り出し、火をつけた。するとZIPPOの灯りで自分の向かいに誰かいる事に気付いた。
 うわっと驚き、ZIPPOを落としてしまった。すると、その人影はゆっくりと歩き、火のついたままのZIPPOを拾いこちらへと向かってくる。
「良かった。来てくれて。小山眇寨君《びょうさい》でしょ?」
 ライターのお陰で相手の顔がやっと見えた。見たところ同い年位の女の人だ。身長は僕より少し低め。ボブのショートカットで、薄茶色の髪の毛。自然な印象な女の子だ。顔立ちははっきりしていて、かなりの美人。僕みたいに平たい顔じゃない。
「うん。半信半疑だったけど、一応。っていうか、あなたは誰なんですか? どうして昨日の……」
 聞きたいことはたくさんあった。しかし話を続けようとした時、彼女は火を僕に差し向けた。
 煙草はパチパチッと乾いた音をたて、夏の湿った風に流されて行く。
 彼女の話はだいたいこんな感じだった。

『政府や秘密結社、大財閥そしてアメリカやロシアが結託して、大々的に人類を削減しようたるものである。先進国へは携帯電話、メールを用いて電磁波的ダメージを与える。途上国へは細菌テロ。日本の最大人口を一万五千人までに制限するというものだ』

 

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