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スケベの効用(中)

   

スケベ体質が災いし、とうとう桃屋はパンティ盗難事件の犯人に仕立て上げられてしまった。それでも彼は、女子高生というものに希望を見出し、高校受験を決意する。通信制で始まる怒涛の高校時代。ここでも再び、スケベ心が災いし、悲劇が生まれるのだろうか……。中巻では、彼の高校時代を振り返る。

 

 僕は中学でのパンティ盗難騒動の犯人になってしまいましたが、それでもリアル女子高生を直に毎日見られる……という怪しい衝動に駆られて、不登校ながらも、高校を目指しました。

 正直なところ、高校に受かればどこでも良かったのです。
 ただし、男子校はダメですけれどね。

 もっとも、不登校のせいで勉強が遅れ、しかももともと頭も悪かったので、僕は普通の高校を受験することができませんでした。
 それで、苦肉の策として、通信制高校に通いながら、半ばフリースクールみたいなかたちで、高校に通えたのです。

 とまあ、色々と大変な人生前半でしたが、ついに通信制高校には受かり、通えることになりました。
 授業は週1回あって、残りは全て課題なりテストなりで埋める、というかたちの学校でした。また、ネット環境も充実しているので、ネットで先生たちとのやり取りもできました。

 僕はこの学校のスタイルに正直、ほっとしていました。
 なぜなら、こういうふうに人間同士の接触が少ない場所であれば、女の子(特に女子高生)を意識しなくていいからです。これでようやく学業に専念できます。
 また、ここに通っている子というのは、だいだい僕みたいに何かしら問題を抱えていて、普通の高校へ行けなかった生徒たちです。
(僕ほどスケベな人間がいるかどうか、それは知りませんが……)

 それと、この学校で、僕にはスクールカウンセラーがつくことになりました。
 僕のスケベさについて、それは心に問題があるだろうということで、週1回の授業の後、必ずカウンセリングを受けさせられました。

 ある日のカウンセリングのとき……。

「ふうむ。こうして毎回、話を聴いていると、君のスケベさには感慨深いものがあるね……。精神分析なんかで言えば、幼少期のエディプス・コンプレクスが何か良からぬかたちでトラウマを残しているのかもしれない。あるいは、深層心理学的に言えば、君がスケベ心を意識の領域からおもいっきり圧力をかけていることで、無意識の領域にリビドーが圧縮されているのだろう。だが、リビドーは解放を求めているので、君の意識下には常に性的なことが上がってくるのだろうね……」

 この先生は若いですが、心理学の大家だそうです。
 優秀な成績で心理学の博士号を修め、現在では悩める現代人の心をカウンセリングして救っているのだとか。
 僕もそんな立派な先生に救われる哀れな子羊のひとりに成り下がっていました。

 

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