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SF・ファンタジー・ホラー

ウパーディセーサ〈七〉

   2016年2月29日  

 この施設は俺と助手の四人で作ったが、プログラムをいじれるのは俺だけなんだ。他の四人にそんな知識はねぇ。でもわざわざ俺が宮守に殴られるような事すると思うか? そんでここの職員だって俺以上の知識、技を持ったやつは居ない。せいぜい出来て偽造パスポートや情報管理だ。となると、部外者の犯行だ。おい眇寨! お前じゃないだろうな?

 

 
「おい、眇寨。これなんだ? 山寺剛って?」
 ポケットから携帯を出す時に落としたらしい。なんて言えばいいんだ! 嘘はつきたくない……でも。
「あぁ、さっき拾ったんだ。公衆電話の中で……」
 僕は免許証を焦響の手からさっと取り、財布にしまった。
「でも、その免許証の顔。お前だろ?」
「似てるだけだよ! ごめん、俺もう行かなきゃ! またくるな! 絶対に-5には出るなよ! じゃあな!」
 嘘まみれだ。玄関を出て、急いでエレベーターに乗り込んだ。唯一の僕の親友。僕の事を本当に信頼してくれている奴。自分に失望した。
「でもしかたなかったんだ!」
 僕は自分にそういい聞かせ、遊園地の裏へと走った。誰もいない事を確認して、柵の下のスイッチを押し。階段を急いで駆け下り重い扉を全力で開け、客間へ入った。そこには誰も居なかった。そうか、システムルームか。
 システムルームの扉を開けると、宮守が平山の胸ぐらを掴んでいた。それを必死で鏡が止めている。
「何があったの? さっきのエリミネート、どうして?」
 平山をボンと突き放し、怒りの表情で宮守が言った。
「こいつのせいで失敗したんだ。エリミネートを察知した時点でコンピューターがエラーを起こした。そのおかげで傍受出来なかったんだ」
「だから、俺のせいじゃねーって言ってんだろ。誰かがプログラムを全て書き換えたんだ。自分の無力さを人のせいにすんじゃねぇよ、この筋肉馬鹿!」
 宮守の筋肉がビクっと震えた。
「なんだとーこの脳デカメガネ野郎!」
 宮守が平山に殴りかかった。それを緋多を含め他の職員が全力で止めた。
「だから、やめてって言ってるでしょ! 宮守さんのせいでも、平山さんのせいでもないんだから。プログラムを書き換えた人がいるって事でしょ? 落ち着いて冷静になりましょ!」
 鏡が必死に仲裁している。宮守は大きな声でクソーと叫び、システムルームから出て行った。部屋には安堵の溜め息が漏れた。
「いつだって、失敗すると暴れるんだから、宮守さんは……ねぇ眇寨君、どこへ行ってたの?」
「朝、ちょっと嫌な夢を見たから気分転換に遊園地の向かいのマンションに住んでる友達の所へ。そしたらあの着信音がなって、友達はでなかったけど。道を歩く人達が皆エリミネートされちゃった」
 フーッと溜め息をつき、友達が無事でよかったと言ってくれた。
 すると平山が曇った眼鏡を拭きながら僕と鏡に言った。
「この施設は俺と助手の四人で作ったが、プログラムをいじれるのは俺だけなんだ。他の四人にそんな知識はねぇ。でもわざわざ俺が宮守に殴られるような事すると思うか? そんでここの職員だって俺以上の知識、技を持ったやつは居ない。せいぜい出来て偽造パスポートや情報管理だ。となると、部外者の犯行だ。おい眇寨! お前じゃないだろうな?」

 

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