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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season8-8

   

 尾澤が犯人だと核心した。

 黒川の大学病院で、彩のことで電話をかけてきた男がいる。そのときお見合いで神楽坂にいる、と話していた。

 そして島津殺害の方法も火守たちはみつけた。水桐と川上探偵も裏付けや証拠をみつけてくれた。

 これらの物証は以前の状況証拠よりもはるかに上回った物的証拠である。
 揺るぎないほどに、尾澤を追い詰める。

 尾澤はDNAの不一致で冤罪になった。だが、そのDNAの一致した人物、つまりが犯人は“彩”と言い放つ。

 動揺を隠せない尾澤。それは御影が仕掛けたトラップだった。

 嘘には嘘を。

 尾澤は焦りはじめた。DNAがだれのものであるか知っている。だからそこまで動揺をみせる。
 なぜなら、尾澤が真犯人に仕立て上げたのは通報があった人物だった。

 尾澤が手掛けた殺人事件の全貌を刑事と探偵は追い詰めていく。

 

 伯田と黒川はついでに大学病院にむかった。なにか手がかりがあるかを再度確認するために。

「これといってなにもないですね」黒川はいった。

 伯田刑事は大学病院の受付で、こんな男はこなかったか、と尾澤の写真をみせた。
 受付の女性は、来ていません、といった。「来ていたらわかる。テレビで顔出ていたし」

「そりゃ、そうだ」黒川はいった。

「最近、変わったことはない? あと石川 彩さんについても」伯田が黒川をにらみながらきいた。

 受付の女性は考えていたが、お見合いの昼間に彩について電話があったと、その日受付していた女性からきいていた。

 一度目訪れたときの女性だった。もしかしたらそのことを教えてしまったことがつながりがあるかもしれないと怖くなり黙っていた。

「男の声か?」伯田は唖然としていた。

 女性はうなずいた。自分は関係がないから素直に応じた。

「なにをきかれた?」

 そして答えてしまっていた。「彩さんが出勤か、と訊ねてきたから休みですと。きょうは神楽坂の料亭でお見合いです」

「言ったのか」伯田は頭をかいた。

「親しいご友人だというものだから。自宅の住所や電話番号を教えたわけじゃないので」

 刑事ふたりはそれが尾澤だと確信した。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season8 <全9話> 第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話

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