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ノンジャンル

優等生の裏 下

   

 昔を思い出す。いつの間にか寝てしまった。しかし夢で重要な記憶が呼び起こされる。

 

 
 幼馴染みとの出会いは、保育園のときまでさかのぼる。砂場で山を作っているこの写真はそれからもう少し立った頃。小学校一年生くらいだったか。まだ公園という場所が、遊び場の聖地のように思えていた。学校が終われば決まってそこに行き、日が沈む時間まで遊んだ。
 写真を撮られているということは、休日の一コマだ。平日に母親がつき添って公園に行くことはなかった。
 おそらく日曜日だろう。土曜日は幼馴染みのこいつが英語の塾だか何だかに通っていた気がする。

 遊びに来るメンバーは様々だった。けれど俺が行くときは、こいつもいたか。雨の日は児童館に行っていた。
 公園で何をするかと言えば、当時、はまっていたのが鬼ごっこ。じゃんけんがすごく弱かったから、初めに鬼をやらされることが多かった。だがこの写真の中では砂山を作っている。

 目を開けた。情景が自分の部屋に戻る。写真の右下に印字された日づけに目を遣った。十月二十九日。

 目をつむる。ハローウィンだ。児童館のハローウィンイベントの手伝いにみんなは行っていた。だったらどうして俺たちは行かなかったのだろう。今でこそイベントに対して非協力的な気持ちにしかならないけれど、当時はイベントが大好きだった。必ず参加していた。準備にも。

 行きたくなかったのか。違う、行けない理由があった。

 

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