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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season10-2

   

 ひばりはストーカーの気配を感じると、御影に理由を話す。日に日にその気配に蝕まれていくひばりは疲弊していた。

 そこで、御影の家族に相談したという。

 御影の祖父は有名な推理小説家だった。父はテレビ番組のプロデューサーでもあった。

 被害対策について詳しいかと思いの衝動だった。

 そのまえに、なぜストーカー被害に遭うことになったか、その経緯について考えてみた。

 ひばりは就職活動中で、春から面接を受けていたが、すべての企業から内定はでなかった。モチベーションも低下していた。10月に入ってもさらに精神的に不安に蝕まれていた。

 みずから作り出している幻影ではないか、と指摘される。だが、確実に夜な夜なつけてくる足音まで聞いた。間違いないと思う、とひばりは訴える。

 そして、唐突に電話が鳴る。友人からだった。なんの話かと思えば、それは意外な事実を聞かされることになる。

 ストーカーの存在を裏づけることでもあった。

 

 ひばりはストーカーの気配を感じている。だが、その正体はいまだつかめない。日に日にその気配は強まって背後を気にしながらではないと外出すら恐ろしくてできなくなっていた。

 そこで昔から馴染みの御影の家族に救いを求めてきた。

 当初は御影の祖父に知恵を拝借しにおとずれた。

 御影の祖父は有名な推理小説家。父はテレビ番組のプロデューサー、母は美魔女モデルで人気上昇中、と世間離れな一家だった。

 ひばりは脅えていたため祖父に相談した。オババは同席して話をきいたということだ。

 とうぜん、ひばりの願いは、「そのストーカーを捕まえてほしい」というものだ。

 じっさい、なにかされたということはない。が、その気配はけっしていいものではない。不安をあおるものだ。

 ひばりはいま就職活動中だ。今年の春ごろから企業を回って面接を受けていたが、9月下旬まで一社も通らなかった。いたずらに不採用の三文字に精神は蝕まれている。そのショックがむやみに不安をみずからあおっているだけではないか、というのも定説としてある。

 みずから作り出す幻影によって恐怖心に蝕まれている。しかし、ある夜の19時過ぎの帰宅中だったときのこと。歩道を歩いていると、背後に気配を感じた。

 歩きながら振り返るが、とくにだれもいなかった。まだ夜も早い時間なため、一軒家の住人か子どもたちが走り去ったとか、そういうのをききとっただけだろうと思っていた。

 そのまままっすぐ歩くと、やはり背後に気配を感じる。こんどはかすかに足音がきこえる。アスファルトをする音からしてゴム底のような気がする。たとえばスニーカーを履いている。

 肩をすくめ恐る恐る振り返るが、やはりだれもいない。

 就職活動がうまくいっていないせいで、精神的に落ち込み、妙に気が張ってしまったのだろうか。と疑心暗鬼になっているのも事実。警察が取り合うわけもない。

 大学四年で将来目指しているのは証券関係に就きたいと、現在就活中だったがもう10月、いっこうに結果はでていなかった。狭き門に佇んでしまった、といまになって思っていたこともあり、判断ミスからの精神の枯渇になっているのは自覚していた。

 アルバイトでアパレル勤務を週に三四日いれている。そういえば、ここでも妙な視線を感じていたという。

 姿なき実体が闇に隠れ、恐怖心だけが膨らんでいき、ひばりの行動力は低下するだけだった。

 実家暮らしなため、急いで歩を進めた。心拍数はあがり、呼吸が浅くなり、息づかいは荒れていた。メンタル的に低下して、このままだと精神は削がれていくだけだ。

 家族にはなにもいえない。心配かけたくないし、自分の勘違いかもしれない。

 姿なき実体は、もしかしたら、ひばりが作り出した将来性の不安からくる幻想、幻聴からくるものではないか、と思うようになっていた。

 だが、ついにその姿なき実体の存在がたしかなものだという奇怪な出来事が起きた。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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