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SF・ファンタジー・ホラー

ウパーディセーサ〈二十五〉

   2016年4月19日  

「すまんな。眇寨の友達なんだろう? かわいそうに、洗脳されて挙げ句の果てにこの有様だ。許してくれ……」

 

 
「すまんな。眇寨の友達なんだろう? かわいそうに、洗脳されて挙げ句の果てにこの有様だ。許してくれ……」
 焦響の首を持ち、力いっぱい捻った。首は一周回ったかの様に見え、ガクンと首が垂れ下がった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 親友が息途絶える瞬間を観た。それも人の手によって。僕は泣き崩れた。本当に悲しかった。本当に泣いた。平山はしきりに背中をさすってくれた。宮守の行動が信じられなかった。なにも殺さなくたって。しんしんと降り積もる真っ白な雪に火を放った。轟々と燃えるわけでは無く、溶ける雪が水となって流れ出す。残った微かな火が怒りと虚無となり漂っている。
 僕の泣き声で職員達が次々と客間に集まった。そして壁を見て皆、驚きを隠せない様だった。あまりの狂気さに、失神する者もいた。鏡も少し遅れて客間に入り、焦響の死体を見て悲鳴をあげた。泣きわめきながら平山になだめられている僕のそばへ駆け寄って来た。そんな中、僕は怒りの念を持って宮守を睨んだが、そこでハッとした。壁に埋まった焦響の死体を見つめるその背中は泣いていた。決して見せない硬い涙が流れている。

 

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