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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season10-8

   

 ひばりが二次面接のためにでかける。御影はとうぜん同行する。不信感は高まるばかりだが、ひばりは幼馴染がいることで暗い表情のまま顔をあげてでかけた。

 だが、そこにふたりの後方をかなり距離をあけて視線をおくっている者がいた。

 御影にたいしてかなりの劣等感を放っている鋭き眼光。第二のストーカーの存在の目だ。

 まだ、ふたりは気づいていない。

 会社に着くとロビーでひとり待機している御影。そこで一人ひとり来訪者をチェックする。佐藤のような不自然な者はいなかった。

 ひばりが面接に向かってエレベーターに乗っていってから一時間が過ぎても御影のもとに姿を現さなかった。

 御影は不安を感じた。そして行動に移行する。ひばりは面接を受けて終えている。記録名簿を受付けの女性から盗み見した御影は、蒼白な顔のまま、一階へ降りた。

 御影は初めて焦っていた。万事休す。なにも思いつかないくらいパニックになっていた。

 そのとき、御影に声をかける女性がいた。

 御影は驚愕した。

 

 無言電話はそれ一回きりだった。マンション付近を外出してもストーカーが狙っているような者はいなかった。だが、確実にもうひとりいることはたしかだった。なぜなら佐藤は勾留されているため、外部へ電話はできない状況だった。

「きょうはだいじょうぶだと思うよ」御影はひばりが面接へ向かうため、マンション前で待っていた。

「うん」以前見たリクルートスーツに身を包み。このチャンスにかけているはずのひばりの顔はどこか雲っていた。

「そんな顔じゃダメだって…、おれがついている。安心して面接を受けてくれ」

「わかった、とっくんのことは信じている。わたしはこの面接に受からないとならない。前進できないままじゃ、わたしの思いはつたえられない」

 御影は頭の中でひっかかりができた。いまひばりがいった言葉の意味は、自分へのことか、それとも別のだれかへのことか、それを考えるだけで胸が窮屈になった。

「さぁ、行こう」 ふたりは出掛けた。

 そんなふたりを影に身を潜ませ、遠目で見ている者がひとりいた。

 男はスマートフォンを片手に対象の人物が映っているのを画面で確認していた。

「あの女の子だ。かわいいな。許可をもらえるとは思ってもいなかった。だが、横にいる男はなんだ。くそっ」

 男はわりと距離をあけて追跡していた。まるで行き先がどこかわかっているかのように、見失っても問題はない距離をあけている。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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