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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season10-10

   

 ストーカーの田丘を捕らえた。持っていたスマートフォンからどうやってひばりを追跡していたかの情報がないか、大地が調べていた。

 すると、ある掲示板のログに身の毛もよだつ内容で、だれかとやりとりしていた。

 水桐のクール・ド・アイで田丘の依頼人ともいえる黒幕は女ではないか、と指摘した。

 御影は意外過ぎる犯人像でピンときていない。だが、川上もまた水桐と同意見だった。

 川上の探偵としての目、キャッツ・アイ、動物好きの川上ならではの抜け目のない目として呼称されている。

 ふたりそろって探偵能力全快で調査してくれている。御影は心底感激していた。

 ひばりは気を失って目を覚ますと、大地が話しかける。ひばりはなにが起きたか思い出し恐怖心に震える。

 気持ちを落ち着かせたひばりに、大地が現状を説明する。そして、ストーカー男が所持していたスマートフォンのログを見せた。

 すると、ひばりは思い当たるようにつぶやいた。しっているかもと…。

 大地は御影に連絡をいれた。ひばりが犯人に気づいた、その名前をいったとき御影のプライベート・アイが周囲に広がりをみせて感知した。

 見えていなかったものが浮かび上がったかのようにはっきりと見えた。

 黒幕の姿だ。目が合っている。御影もよくしる人物だった。予想を超える動機に、御影もひばりも唖然となる。

 

 ストーカー男は捕縛した。田丘は警察にいって事情聴取される。だが、まだ終わっていない。大地が田丘のスマートフォンのログを確認したが黒幕がいる。根絶やしにしないとこの有象無象の負の連鎖は切れない。

 御影がそのログを追うことで、黒幕にたどり着けるか検証しなければならない。もはや手掛かりはこれしかない。

「雲田さんて、こういうことも得意かな?」

「ああ、そうだろうな。たぶんだけど…」川上がいった。

「ねぇ、いまのこの状況もしかしたら黒幕さんは見ているんじゃない?」水桐が唐突にいった。

 御影は周囲を警戒する。「その可能性はある。場所も時間も、ひばりの顔だってわかっている。依頼をだした張本人がしっかりとやり遂げているかを自分の目で確認したいと思うはずだ」

「そうよね。ある意味これって報酬のない褒美ね」水桐が奇妙な言い方をした。

「それってなんかいやらしいな」川上が答えた。

「たしかに報酬はない。依頼人は、田丘にひばりを捕らえたらなにしてもいいっていっただけだ…、これって罪になるのか?」御影にはどうもスッキリはっきりしない犯罪まがいに困惑していた。

「どうかな。田丘は罪に問われるけど、仮想空間であるネット上でのこと。いくら依頼をしても明確な犯罪を指示したわけじゃない」

「でもさ、明確ではないが犯罪を示唆していることは事実だろ」川上が指摘した。

「そうね。それだけでも犯罪の教唆になるか、御影くん、田丘の依頼者を見つけないと、彼女はいつまでも追われる身よ。どうも怨恨の線を感じるわね。相手は女か…」水桐の感からなにかを感じとったようだ。

 クール・ド・アイ。冷ややかな瞳がなにかを見ているようだ。

「女?」御影は意外すぎる犯人像で驚いた。

「その可能性はじゅうぶんある。おれもさっきからそう思っていた」川上も見えない黒幕に女の影を感じていた。

 キャッツ・アイ。動物好きの川上ならではの抜け目のない目。鋭き眼光を放つことからその名がつけられていた。

「ふたりとも、探偵の目を全快で発動っすか」御影はまた驚いていた。

「こんな陰湿な依頼はないわ、とっとと解決しないと」

「まったくだ。おれだってこんな案件に時間はかけたくない」

「わかりましたよ」御影は微笑んでいた。「なんか、やる気もらった」

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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