幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season10-11

   

 群衆の中から御影の目は、真犯人をとらえた。すべてはひばりと御影を引き離すことが目的だった。

 そのためにSNSを活用して手駒にできる人物を探していた。その掲示板から情報が網羅しているのを見て、選んだ。

 佐藤と田丘は瀬谷から見込まれたのだ。ストーカーとして恐怖を植えつけて、トラウマ、もしくは引きこもりにさせ、社会と断絶した生き方をさせるつもりでいた。

 御影がいなかったら、どうなっていたか。それと氷室探偵事務所のメンバーが助っ人として協力してくれた。

 必要とされていることが御影にとってもなによりうれしかった。御影の道は探偵ひと筋でいいと。

 瀬谷の狙いは御影。すべては自分の幼き思いを成就させるためだった。

 やり方がえげつないため、御影は瀬谷を許さなかった。いさかいになるも、ひばりは卒倒しそうなまで追い込まれていた。悲しすぎて初めて感情を荒げたのだ。

 そして、御影とひばりはたがいの思いを気づいていたが、それを踏み込めずにいた。これをきっかけに心は結ばれようとしていた。

 瀬谷は、逆恨みのように、ひばりの態度にイラつき、幼馴染をついにはナイフで刺すつもりでいたが、大地のアンチリアクション、危機回避能力で、悲劇を見ることなく幕を下ろした。

 

 佐藤と田丘を手駒にし、ひばりが面接にきたこの日、紛れ込むようにしてスーツに身を包んでいた瀬谷。面接会場まできて御影たち同様に監視していた。

 田丘にも侵入させ、ひばりを辱めてもらいたい。そして、この希望している面接を台無しにしてもらいたい。たとえ後日、採用通知が届いたとしても恐怖心から引き篭もりになってもらえれば計画通りになる、と瀬谷の考えだった。

 すべて、御影との縁を切るために。

 御影が心配しているが、自然と瀬谷と出会い、御影の心を支配していく。遠回りな恋愛手法だが、まったく陰湿なやりかただった。

「それで奪えたつもりか? くだらねぇーまねしてよ」御影は罵った。

「ひばりが気に入らないだけよ、わたしのわがまま。人生で初めて自分のこと以外で感情を露呈するために、他人を巻き込んだ…」瀬谷は虚ろな目をしていた。

「それで、気がすんだのか? ひばりを追い詰めて、気分はよかったか」御影はいった。

 瀬谷は黙っていた。

 ひばりも親友に裏切られて崩れそうになっていた。大地が横で支えていなければ確実にぶっ倒れている。

 瀬谷の言葉をだれもが待っていた。ないのであれば御影は脅しをかけてこの場を去る。

“もう二度と顔を出すな。なにかあればすぐに警察につきだす。次はない”。

 御影は一歩を踏み出す。

「おっと、御影くん」川上が割って入った。「まぁ、なんだ、幼馴染でいがみあってもろくなことないぞ。せっかく再会したんだろ…どうせなら一杯やるか? ほら、面接も無事に終わったことだしな。前祝いって…」

 水桐が手で川上のくちを塞いだ。

 だが、よかった。御影には似合わないセリフをいうところだった。

“もう二度と顔を出すな。なにかあればすぐに警察につきだす。次はない”。くちが曲がるところだった。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


コメントを残す

おすすめ作品

見習い探偵と呼ばないで! Season20-6

見習い探偵と呼ばないで! Season14-2

金にまみれる男 8

見習い探偵と呼ばないで! Season12-4

生かすも殺すも匙加減⑤

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】15

   2017/11/20

ロボット育児日記39

   2017/11/17

忠実な部下たち

   2017/11/17

モモヨ文具店 開店中<36> ~帰り行く者~

   2017/11/16

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】14

   2017/11/15