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ハートフル

家族の肖像(2)~青春篇~

   2016年4月27日  

遥は、大学へ進学した。
そこで入ったサークルの仲間として、利久と菜々美に出会う。
今までコンプレクスでもあった、少年のような容姿を「カッコいい」と言ってくれた菜々美と利久。
今後の大学生活に、期待で胸が膨らむ遥だった。

 

4月の大学は、とても忙しい。
桜の花びらも散って、グラウンドには、緑の木々が立ち並び、春の日差しの中、そちらこちらで、サークルや部活動のビラを配っていた。
遥は、この4月、ここ「緑ヶ丘中央大学」へ入学した新入生だ。
専攻は、芸術学部のデザイン学科だ。
ここ「緑ヶ丘中央大学」には、芸術学部以外にも、経済学部、文学部、そして付属の女子短期大学部がある。
遥は高校時代から油絵を描き始め、すでにいくつかの展覧会でも入賞している腕前もあり、推薦でこの大学へと入学をしたのだ。
今は、昼休みと言う事もあり、どこも、学生達で賑わっていた。
遥は、まっすぐ、その喧騒を通り抜け、校舎から少し離れて立つ、サークル棟へと向かっていた。
入学した時にビラを貰い、ずっと入部を悩んでいたのだが、自分でも「やってみたい」と心を動かされ、そのサークルへ入部するつもりでこの離れたサークル棟までやって来たのだ。
サークル棟の中は、外の喧騒とは裏腹に、意外と静かでひんやりとした空気が漂っていた。
遥は、あるドアの前まで来て、足を止めた。
「映画サークル」と段ボールに、マジックで大きく書かれ、ガムテープで留められていた。
ふと後ろから足音が聞こえてきた。
振り向くとそこには、花柄のワンピースを着た、小柄で可愛らしい女性がいた。
髪は黒く長いストレートで、ピンク色のカチューシャがとても愛らしく感じた。
「あなたも映画サークル希望なの?私もよ。」
そう言うとにっこりと笑った。
そのすぐ後ろにも走ってきた人間がいた。
「俺もぉ!映画サークル希望なんだ。」
遥は呆気にとられて、声を出すのを忘れそうになったが、取り敢えず
「中、入る?」
とドアを指さし、二人を促した。
ノックをして3人は
「失礼します」と中へ入った。
そこには、5人ほどの学生がいて、それぞれに昼寝をしたり、昼食のカップラーメンをすすったりして思い思いの格好のままこちらを見た。
その中の一人で、一番まともそうな先輩が、口を開いた。
「君たち入部希望かな?」
「はいそうです。岩崎遥と言います。芸術学部です。」
「私は大塚菜々美です。付属短大の幼児教育学科です。」

 

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