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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season11-1

   

 御影はいつになくテレビを食い入るように見ていた。ニュースだ。なにかを気にしている様子だったのをほかの探偵たちは気にしていた。

 報じられているニュースは窃盗事件のようだ。宝石を窃盗している事件。

 御影はこの手の事件に関心が向いていた。どういうわけかわからないが、心をくすぐるなにかを感じていた。

 氷室探偵が警察から依頼があったと説明する。それは最近宝石を狙った犯行予告をする怪盗レオパルドからの挑戦状があったからだという。

 警察はこれまでずっと負け続けていた。次こそは逮捕したい。もしくは犯行予告からターゲットの代物を守り通す。

 知能犯には知能で対抗する。そのために氷室名探偵に助け舟を出したという。

 東京ビックサイトで行われる国際宝飾展示会。そこに出品される500億円のレッド・ダイヤモンドを狙っての予告状だった。

 氷室探偵社の探偵全員で警備にあたることになるが…。

 レッド・ダイヤモンドの所有者、アメリカの大富豪サイエフ・グランジー(63歳)は、主催者のインターナショナル ジャパン タカラダ株式会社、代表の宝田から頼まれて日本にこの貴重なダイヤモンドを貸すことになった。

 日本円で500億円。それはサザビーズのオークションで落札した価格である。
 それを興味ある日本の取材陣や一般人にお披露目したいという動機がサイエフ氏にもあったため、この話に応じた。

 まさか怪盗レオパルドに狙われるとは思ってもみなかった。

 そこに警視庁捜査二課知能犯捜査係の寺門警部と光森警部補が専任となって怪盗レオパルドを追っていた。

 1000人の警官を導入して警護にあたっている。探偵の目もある。負けるはずはない。と警部は信じ切っていた。

 12月4日の展示会最終日12時が犯行予告。あと30分…。

 

 御影は食い入るようにテレビから流れるニュースの報道を見ていた。

「どうした? そんなに真剣にみて」川上がいった。

 報道では窃盗事件が発生していると相次いで伝えていた。美術品、貴金属の窃盗だ。現金の窃盗がないところを見ると金銭的な狙いではなく、アンティークを狙っているとみえる。

「最近多いよな、窃盗事件…」川上は御影に無視されたから共感するように話題を投げた。

「そうですね。この手の事件に、どうも関心が湧いてしまう」御影はなにかを察知していた。

「どういうことなのだ?」森谷がコーヒーをのみながら御影に問いかけた。

 大地と雲田も関心があるように会話に耳を傾けていた。

 御影は答えなかった。というより、答えにたどり着いていない。「わからない」

 探偵たちは顔を見合わせていた。

「そうか…」森谷はくちを結んだ。

「その手の事件にいま警察がいちばん関心がある人物があがっている」氷室が唐突に現れた。

「氷室さん、どういうことですか?」川上がいった。

「いつも窃盗現場に残されているものがある」

 探偵たちは顔を見合わせた。その情報をだれかしっているかという目でアイコンタクトしたが、やはり氷室以外だれもしらないようだ。

「なにが残されているんですか?」御影がたずねた。

「カードだ」

 氷室は警察から情報を得て、報道にもされていない事実を述べた。

「怪盗レオパルド」氷室はそういった。

「なんですか?」御影は険しい顔つきになった。

「それって…」水桐が答えた。「犯行予告みたいなものね」

「そうだ」氷室は目をつぶっていった。

「マジか、いまどき怪盗ルパンのような古典的な真似をするやつがいるのかよ」川上が呆れ顔にいった。

「まったく、かなりの自信があるとみえる」雲田がめずらしく輪にはいって意見を述べた。「むかしとちがい、現代社会のセキュリティは高く、突破する壁も厚い。たったひとりでできることではないがな」

「さすがそういう面での着眼点は目が効くな」火守がいった。

「火守さんも関心があるんすか?」御影がいった。

「そうだな、怪盗レオパルドなんて名前を記してあるカードだけ残して犯行を成功させている。そんな怪盗がいまどきいるなんてな、胸くそ悪いだろ」

「たしかに…」探偵たちは同感した。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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