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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season11-9

   

 怪盗レオパルドが栗原だとわかったのには、御影のプライベート・アイと以前の苦い思い出があったからだろう。

 ひとは裏切られるとそのことが忘れようとしてもなにかの拍子で思い出す。苛まれる。そして遠藤の盗聴から通話内容によって、首謀者がだれか、というところからピースを嵌め込んでいく。
 御影の推理力が高まっていた。

 水桐は遠藤に、栗原と面識があることに以前の苦い思い出を話し聞かせる。

 栗原はあざ笑う。氷室探偵社のメンバー総出でダイヤを怪盗に盗まれるという失態に、かつての恨みでも晴らしたかのように揶揄する。が、けっきょく御影と対峙している。

 そして御影は栗原を動かしていた黒幕の名を告げる。

 栗原はまさかその人物だったとは考えもしなかった。なぜ、そんなことをするのか、意味がわからなかった。

 潜伏している部屋の名義を調べればわかる。受付ではおそらく偽名かもしれないが、しっかりと従業員にはその部屋がだれが使っているかは把握していた。
 そのため、警察の調査からも欺けることができたのだ。

 その場に氷室チームと森谷チームが合流して御影たちがいるところまで現れた。

 黒幕を連れて。

 そしてすべての真相を話し聞かせるのだった。

 

 遠藤は水桐に小声で話しかけた。「どういう関係? なんでみんなも面識あるような口調なわけ?」

 水桐はうんざりしているようすだった。が、面倒だが説明せざるをえなかった。事情を知らずにこの場にいられても困るからだ。

「かつて御影くんとともに自動車教習所で免許取得をするために一緒にいた女性。それが“栗原 毬”、このひとだったってこと。その後、探偵事務所に直接依頼してきた。依頼内容をきいたまでは浮気調査だったけど、まさか御影くんを裏切るつもりでいたなんて悪女よ…」

「水桐さんよりも?」遠藤は無邪気にきいた。

「どういう意味よそれ、私のどこか悪女なのよ」

「いえ、ごめんなさい」遠藤は頭を下げた。うっすら禿げている。

 水桐はその頭をみて怒りを抑え、説明を続けてやった。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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