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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season11-11

   

 サイエフはテレビ局のインタビューに追われていた。500億のダイヤモンドを盗まれたことが世間を賑わせていた。

 氷室たちは内密に動く。サイエフ自身の偽装工作である事件。氷室は素性を暴いたが、この場で披露するわけにはいかない。メディアのかっこうの餌食になる。

 タクシーに乗り込んでホテルにもどる。氷室たちも追跡をしホテル前で囲む。
 雲田からメールがあり、斉藤はかいつまんで話す。すでに御影と怪盗が対峙していると。

 氷室から声をかけた。サイエフはひとりだったことを確認した。ボディーガードも秘書もいない。

 氷室は問う。怪盗とダイヤの行方について。

 ふたりは犯行予告のときに面識はあるが、サイエフはたいして気にもしていない態度だ。そんな彼に氷室はいった。

 ダイヤも、怪盗の行方もわかったと。サイエフは日本の警察がなんら実態をつかんでいないというのに、探偵風情になにができるというのか、と指摘する。

 氷室はずばりいった。あなたが黒幕だと。根拠もあり、それは核心をついている内容を説明した。

 遠藤という伏兵が盗聴して通話をきいていなければ名探偵でも解けない謎だったかもしれない。

 日本人のあまさから付け入る隙があると思っての計略。だが、人々の因縁や記憶の奥底にしまいこんだ後悔などが、思いがけない力を発揮する。

 それが御影と栗原の関係だった。そのことを計算にいれていないサイエフは敗北していたのだ。

 森谷チームも合流して、御影がいる階へとサイエフを連れて氷室チームはたどり着いた。

 サイエフの動機、そして怪盗レオパルドの正体、レッド・ダイヤモンドの行方、それが解き明かされる最終ステージに降り立つ。

 そして最後の最後で追い込まれたサイエフが抵抗する。それは思いがけず、蒼白する事態になる。

 

 フジテレビでインタビューに答えていたサイエフ。今回の展示品であるレッド・ダイヤモンドについて話題は集中していた。だが、それが盗まれたいまの心情について語っていた。だれもがその話を聞きたがっていた。
 が、そこに氷室探偵が来たが、内密に動くことにした。

「メディアの巣窟で推理を披露するわけにもいくまい。あれこれと詮索されて、あっというまに番組で流れてしまう。偽装的に盗ませた持ち主のサイエフ氏。狙いは保険金だってな」

「そうですね。控室にもどったところを押さえますか?」

「いや、出てきてホテルにもどるさい、タクシーを使うだろう。そこで囲った方がいい。御影くんたちとも合流できるしな」

 影のように見張る探偵。そしてサイエフが局から出てきた。タクシーに乗り発進した。

「つけよう」氷室たち四名もタクシーに乗り込んだ。

 こういうときは決まって氷室が前で後ろに三人が乗るのだが、助手席には小柴が悠然とひとりで座り、奥側に斉藤、真ん中に火守、そして最後に氷室が乗った。

「私は窮屈なのは好まないが、助手席があまり好きではない。だから最後に乗るのが正解なんだよ」

 火守は初めてみせる珍妙な癖に驚いていた。

 小柴はどうやら知っていたようだ。だから助手席に乗ったのだった。

「御影くんたちがホテルについているみたいです。そして例の人物と部屋の前で対峙しているさ中のようです」雲田からメールがあり斉藤がかいつまんで話した。

「そうか、駒は揃ってきたな。最終舞台へ、我々も行こう」

 東京ベイ有明ワシントンホテルに着いた。タクシーから降りるサイエフ氏。

 そこを捕らえるように氷室は火守と挟み込む。

「待ってくださいミスターサイエフ」氷室はいった。

「ホワイ?」サイエフは何事かと目をしかめた。ボディーガードも秘書もだれも警護に充てていない状態だったため、単独の行動だった。

「あなたに聴きたいことが山ほどある」

「なんですか?」

「怪盗レオパルドとレッド・ダイヤモンドの行方についてです」氷室はいった。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

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