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ショート・ショート

不倫の果ては・・・

   

今井朝子は、中学の同窓会で再会した、田川洋一郎と不倫関係を持ってしまった。
しかし、夫である秀行の存在の大きさに気づき、不倫をしている自分の愚かさをに涙が出るのであった。

 

時計は夕刻の4時少し前だった。
今井浅子は、今ホテルのベッドの上にいた。
隣りには、中学で同級生だった田川洋一郎が微かな寝息を立てている。
浅子はベッドから起き上がると服を身に付け始めた。
洋一郎の顔を見ながら『なぜこのようになったのだろう』とぼんやりと考えていた。
浅子は現在40歳で、夫も、子供2人もいる、ごく普通の家庭の主婦だ。
時計が4時を指した時点で、浅子は洋一郎に声を掛けた。
「そろそろ起きなくていいの?」
「あ…うん。今何時?」
「ちょうど4時よ。」
「ありがとう。5時には得意先の社長と会う予定だから助かったよ。」
そう言うと洋一郎もベッドから起きてスーツを身に付け始めた。
洋一郎は、家具メーカーの営業で、今日はたまたま2時間ほど空き時間が出来たので浅子と合う事になったのだ。
こうして、洋一郎と寝るのはもう何度目であろうか。
洋一郎は、営業の合間の時間が出来ると、浅子を呼び出し情事を重ねた。
二人は部屋を出るとエレベーターの前まで来て、エレベーターを待った。
扉が開くと洋一郎は
「じゃあ、先行くね。また連絡するよ。」
そう言い残すと先にエレベーターに乗り込み軽く手を振って階下へと降りて行った。
これは、いつもの事だ。
誰かに見られ無い為に、浅子は毎回、エレベーターを一回やり過ごして、次のエレベーターで階下へと降りた。
エレベーターからロビーへ出たが、時間はまだ4時15分を指していたので、ラウンジで、コーヒーを飲んでから帰る事にした。
ラウンジの窓際の席に着くと、ホットコーヒーを頼んだ。
7月とはいえ、エアコンが効いた部屋の中で、裸でいたので、身体が芯まで冷えていた。
ほどなくして、ウェイターはホットコーヒーを運んできた。
浅子は、出されたコーヒーを少しづつ飲んだ。

丁度一か月程前の事になる。
浅子はかねてから予定の入っていた、中学の同窓会へと向かった。
同級生だった少女たちは、時がたちすっかり貫禄のある中年女性へと変貌していた。
「浅子?!久しぶり!全然変わらないわね。」
と言って何人かの女性が浅子を囲んだ。
「そうでもないわよ。結婚もしたし、子供も二人いるし、普通のおばさんよ。」

 

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