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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season12-7

   

 キサラは撮影準備を終えるとADから封筒を手渡される。御影にそれを見せると、注意せよ、の勧告。

 ADはキサラのファンという男性から手渡された。御影は推理した。このADを使いキサラを脅迫するための橋渡し役に利用しのだと。
 すると小柴は推理ではなく、女の勘を話すがもどかしく伝えきれずにいた。結果は同じこと、爆弾に脅えているのはキサラたちだった。

 氷室は小柴からの情報をもとに、丸美出版に犯人のつながる人物が浮上するとは思ってもみなかった。
 しかたなく相性の悪い雲田探偵にメールを送る。仕事の早い雲田だ。たしかめないわけにはいかない。

 そこで丸美社長に助力を得るため、提案する。丸美社長にとってはよくない結果になることをつたえる。

 氷室は以前この丸美出版に勤めて解雇された者の名前を口にする。すると…、社長室の空気が一変した。

 社長にとっても都合の悪い名前のようだ。

 そして浮かび上がる真犯人。それは社長が恨みを買うのにじゅうぶん納得がいく人物であった。

 

 メイク、衣装を終えたキサラの前にさきほどのADが手渡した。「これ、キサラさん宛てに…」

 キサラはなにかわからず、ADが手渡したものを受けとる。一通の封筒だった。中を見ると、二つ折りにされた紙が入っていた。キサラは疑問を抱くような顔をするも折りたたまれた紙をひろげた。

「えっ…」キサラは唖然となった。

 そこにちょうどよく御影が現れた。小柴と真野も一緒だ。

「御影さん、これ」キサラは御影を見つけるとその紙を手渡した。

 御影はキサラが動揺している姿にただごとではない事態を感じとる。
「注意せよ」紙に書かれている文字を口にした。

 小柴ものぞくようにその紙を見た。

「これって、なにか関係が?」真野が御影の顔をのぞく。

「わかりません。これはだれが?」御影はキサラにきく。

「さっき呼びにきたADさんです」キサラは口を手で押さえながら恐怖に耐えようと必死で答えた。

「そのADってまさか紙永でしたか?」

 キサラは首を振る。

「あのひとは普通にここで働いているADさんです。以前も収録があるときにいました。おそらくだれかに…」真野が答えた。

「そのADに話をききましょう。この手紙をだれから受けとったか」御影は言った。

 真野がそのADを見つけると、足早につかまえた。そしてその手紙についてたずねた。御影がそばで聴取する。キサラには小柴が付きっきりになり周囲を警戒するように見渡している。

「どうだったの?」小柴は御影がADと対話を終えてもどってきたところをそうそうにたずねた。

「当たりかもしれません」御影は答えた。真野も浮かない蒼白している。

「キサラさんのファンで、むかしからよく知っていると。男性のひとでした。この手紙だけでも渡してほしいと頼まれたそうですよ」御影は言った。

「でもどうやって、入口の警備員を通過したということはどこかの監視カメラとかに…」

「これは推理ですけど、あのADは外で生中継をしているアシスタントディレクターです。ということは一般人に顔や姿は目撃されている。だからキサラさんを脅すための橋渡し役になったのかもしれない」御影の推理には小柴も共感した。

「そのとおりかも…、いい考えね」小柴は少し顔のこわばりが緩んだ。

「でも、その男が紙永かはわかりませんね」御影は声が低くなった。

「どうかしら…」小柴は不敵な笑みを浮かべた。「私の勘を話すけどいいかしら?」

「ええ、もちろんです」御影は目を見開いた。小柴は自己主張してこようとは、まるで御影に影響されたかのようだ。

「私はこの生中継の現場で、なにかあるんじゃないかって思うの…」

「なにかって、そのなにかはひとつでしょ。小柴さんの勘が当たるのはちょっと困りものですね」御影は言った。

「そうね。生放送で大惨事になってしまう。私たちがいくら危険を教えても紙きれ一枚に“注意せよ”、これだけじゃ説得力ないわ」

「しかたないです。こうなったら現場に紙永が現れるかどうか、そして爆発物を見つける」

「紙永が現れればすぐに避難させるわ。キサラさんだけでも逃がさないと。犯人の思惑どおりにはさせたくない。悔しいじゃない」小柴はやはり女の意見をいっている。

「ここには多くのひとがいます。ましてや観覧自由の外での生放送、もっとも危うい状況でおれたちはガードしなければならない。不利ですよ」御影はすでに白旗をあげていた。

「でもやるの。いい、わかった?」小柴は躾けるように命じた。女の勘は、もっとこう女にとっていやらしいもの。それを伝えたいところを爆弾にすり替えていた。どちらも結果は同じことだった。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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