幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ショート・ショート

はじめての再会

   

今日、20年ぶりに父親に会う。
父は俺が5歳の時に別れたきり1度も会っていない。
顔さえ忘れてしまった父に会うことになったのは、この腰痛のせいだ・・・・・・。

 

うだるような暑さだ。
髪や背中や腕という体のあちこちから毛根が開いていく。
そこからからじめっとした汗が吹きだして、シャツにはりつく。

いい年をした男が、昼間から子供やその親の多い公園にいると、居心地が悪い。
何もしていないのに、まるで犯罪者扱いだ。
口では何も言わないけれど、無邪気な子供と違って、母親たちの無言の背中での警戒心がつきささる。

帰ろうか、待ち続けるか。
さっきから考えがふらふら変わり続けている。

今日、20年ぶりに父親に会う。
父は俺が5歳の時に別れたきり1度も会っていない。
顔さえ忘れてしまった父に会うことになったのは、この腰痛のせいだ。

 

-ショート・ショート