幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ノンジャンル

下手なやり方

   

これは非常に難解な問題です――
男が突然、婚約者を残して姿を消した。

 

 
 これは非常に難解な問題です。

 「お邪魔します」の一言に、答えはいつも返ってきません。そもそも「お邪魔します」という言葉に、返事を期待するのはおかしいことなのでしょうか。無知で浅学な私には「お邪魔します」に対する正式な返答はわかりません。

 古めかしいある種城のように見える外観の一軒家に、その人は住んでいました。名前を教えてくださらないので、私は仮にもその方をNと呼ぶことにしています。

 Nはだいたい二階の書斎にこもっておりました。出迎えてくれることはありません。ではどうやって入っているのかと疑問に思うことでしょう。
 Nには使用人のようなおばあさんがいます。彼が「ばあや」と呼ぶ人物です。私が知る限り、Nはばあやさんと二人で暮らしております。

 ノックをしないと怒られるので、必ず二回は手の甲で扉を叩きます。すると中から気だるそうで間延びした声が聞こえてきます。それでようやく中に入ることができるのです。もし返事が一分以上なかったら、下のリビングで待つように言われていました。
 Nがいらっしゃるまで、ばあやさんと談笑します。

 

-ノンジャンル


コメントを残す

おすすめ作品

アストラジルド~亡国を継ぐ者~アグランド編 第34話「それでも――――」

   2017/11/20

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】15

   2017/11/20

ロボット育児日記39

   2017/11/17

忠実な部下たち

   2017/11/17

モモヨ文具店 開店中<36> ~帰り行く者~

   2017/11/16