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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

愛の果て。守りたいのは、愛しい人。 1

   2016年8月9日  

毬藻エリカ主演の映画制作発表が行われたその裏で、人が殺されてしまう。
そうとは知らずに会見の場を去ったエリカだが、翌日刑事が訪ねで来て――

出演者は全員女性、霊愛シーンは同性愛にあります。
ミステリがメインのため、こちらのカテゴリに入れました。
同性愛に嫌悪があります方はご注意ください。

 

 
 初夏といってもいい時期のとある日、最近新しくオープンしたホテルのイベントホールで、盛大な制作記者会見が行われた。
 まだ仮の状態で正式な作品タイトルも決まっていないのに、異例の記者会見になったのには、理由があった。
 エリカといえば、ある種の人たちの中ではかなり知名度がある、清純派の女優だった。
 女性だけの劇団の出身で、その劇団からは多くの実力派女優が活躍の場を広げている一方、イメージが固定しすぎて脱皮できずに消えていく者もそれなりにいた。
 毬藻エリカもどちらかといえば、そっち側に属する女優になりかけていたのだが、そんな彼女ための映画製作が決まったとなれば話は別である。
 白いクロスがかけられた長テーブルの上には数本のマイクと華やかな花が飾られている。
 色合いが白やピンク、薄い黄色で揃えられていることから、エリカをイメージしたものである。
 中央にエリカ、その両脇には監督と脚本家が座り、さらにその両脇を映画会社の重役が陣取るという、とにかく異例で盛大な制作記者会見がはじまった。
「毬藻さん、あなたをイメージしたオリジナル脚本とのことですが、すでに台本はお読みになられたのでしょうか?」
 映画雑誌の記者が質問を投げかけると、明るく染めた茶色の髪、背中ほどまである髪を巻き毛にした、彼女のトレードマークといってもいい髪の毛の先を軽く指でいじりながら、エリカが答える。
 マイクに顔を少しだけ近づけると、胸元のレースが静かに揺れた。
「実はまだ台本の方が未完成でして。大まかなあらすじしか知らないのですが、どうできあがるのか、私が一番楽しみにしているのです。きっと、見ていただける方の期待を裏切らない、とても素敵な作品になると思います」

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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