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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season13-14 END

   

 テロリストは周囲を固められ、船内も警官たちが箱から現れ襲撃を開始した。

 海上保安庁の隊員も士気をあげるため雄たけびをあげて襲撃する。

 御影たち非隊員は、なぜ乗り込んだか足手まといになっている。政木警部は銃で甲板にいる兵士と撃ちあいながら、御影と川上、大地に願いでた。USBメモリーを敵リーダーに持っていかれ取り返すように。

 本物の図面が保存されている。これを船からメールで送信されたら終わりだ。この抗争は無意味のまま消耗して終わる。

 船内に通信室があり、そこから送信できるようになっている。中身を確認したUSBメモリーのデータは外部へ送信するつもりだろう。

 リーダーの男が通信室の前で守っていた。身を呈して兵器の設計図を送信させる時間を稼ぐために、銃を乱射し御影たちを近寄らせないようにしていた。

 せめぎあう両者だが、大地がおもちゃを放るように手りゅう弾を転がす。川上はふたりを連れて逃げだす。

 リーダーの男も身を引くが、船底に穴があくほどの爆発が起きた。海水が流れ込みイスラムの男や御影たちは海面に逃げだした。

 すでに海面、海中は海上保安庁の隊員で包囲していた。御影たちは救出され、リーダー含めテロリストたちは捕縛された。

 警察がテロリストに屈することなく勝利した、この抗争に民間の探偵社が介入して回避できたことは、世間ではだれもしらない。

 そして刑務所にいる薪は、意外な結末に…。

「第十三シリーズ完結」

 

 テロリストの船にライトが照らされた。慌てふためくイスラムの兵士たち。

「どこからわいてでてきた?」イスラムの男がいった。

 周囲は固められた。そして甲板に積まれた箱の蓋が無人で開いた。中から武装した日本人が次々に銃を乱射し強襲に出た。

「おらおら、全員ぶちのめしてくれる!」気性の荒い警官のひとりが怒声をあげながら引き金を引いた。

 暗がりに銃口から火花が飛び散り、その戦闘がはじまったことを周囲に知らしめる。

「われらも強襲。海上保安庁の名に懸けて、不法者を殲滅せよ!」隊長が吠える。

 逃げ場がないように周囲を取り囲む。敵が敵だけに粗っぽさが襲撃の士気と鼓舞を高めている。

 御影も箱から出るが、銃など使ったことがなかった。身を隠すだけでなにもできずにいた。

「おれたちなにしにきたんだ?」

「ほんとうはここまでの戦乱になるとは思ってなかった。大地ちゃんどうだ?」

「察していた」大地が震えながらいった。

「ほら、大地さんには見えていた。おれたち殺されるよ。そうだ、てかアルのやつ海に落ちてだいじょうぶか?」御影は頭を低くしていた。「泳げるかどうか、たしかめてなかったけど…」

「だいじょうぶ、防弾チョッキ着ているはずだ。頭を狙われなかったんだ。海保に任せよう」川上が他人事のようにいった。

「あなたたち、お願いがあるの。テロリストのリーダーらしい男にUSBメモリーを持っていかれたままなのよ。取り返してくれない?」政木警部が唐突に現れたと思ったら、とんでもないことをいった。

「それって、ここで一番危ない願いごとですよ」川上が疑念を投げる。

「しかたないでしょ…」政木警部は甲板での抗争に手を焼いていた。

「海保に任せようって…」川上はこの危機的状況から逃避したくなっていた。大地も賛成している。

「海保の船でこのテロリストの船を捕縛して港に引き連れていく。完全包囲されていることを叩き込む。そうしたらテロリストのやつらもなにもできない…」御影は提案する。

「いそいで、やつら命なんかこれっぽっちも惜しんでいない。通信機器のアンテナがこの船にはついている。つまり、USBメモリーの中身をどこかへ送信するおそれがある。そうなったらUSBメモリー奪還しても意味はない。アンテナをへし折っても送信されるかもしれない。情報は無作為に流れ出てしまう…。相手を特定しても、もはや手は出せないでしょ」政木警部の危惧はもっともだった。

「でも、おれたちは銃に対抗できるようなものは…」川上は銃を毛嫌いしている。

 御影もとうぜん使いこなすことはできない。

「当たって砕けろでしょ!政木警部は軽薄なことを口走った。

 御影と川上は口をそろえていった。「ふざけんな!」

 大地もブーと唇を下手なラッパのように鳴らした。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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