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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

愛の果て。守りたいのは、愛しい人。 3

   2016年8月18日  

エリカ主演の映画製作が中止になり、騒ぎが収まるまで地方のホテルに避難することになったエリカ。
六実(むつみ)とは、避難先で合流するはずだっのだが、未だ会えず…

 

 

※※※

 制作発表の会見からまだ数日、一週間も経っていないというのに、関係者が立て続けに死んでしまうという事態に、当然のように降りるスポンサーは増え、協賛会社が完全に降りたことで、制作そのものが中止になるのは時間の問題になっていた。
 静子はまだ方面に頭を下げ回っているのだろうか、あの日から一度も顔を見ていないというのに、会いたくもないふたりの女性が、エリカと六実を訪ねにくる。
 刑事として、ふたつの事件の解決のために。
「咲みちるさんが亡くなられたことはご存じですね?」
 きびきびとした口調で宮前が質問をする。
 となりで守屋がメモをとるため、手帳を持ち直した。
 聞かれたふたりは顔を見合わせて頷く。
 最初に口を開いたのは、エリカだった。
「これから一緒に仕事をしていく関係でしたので、亡くなったとニュースで知り、驚きました」
「本当に、ニュースで知ったのですか?」
 宮前の質問の仕方が事務的で感情がない。
 なにかを聞き出そうとしているのは明らかだが、この言い方ではエリカに疑惑を抱いていると言っているようなものだった。
「引っかかる言い方をするのですね。私は疑われているのでしょうか?」
 エリカもまた、感情に流されないように答える。
 そのため、場の空気が重い。
「あまりにもあなたの周りで不審なことが起こりすぎている。疑うなと言う方が無理です。一応、あなたと咲みちるの関係を調べさせていただきました。劇団時代から最近までのこと。確執があったようですね」
「確執? ずいぶんと重々しい言い方ですね。たとえば、どんなことでしょう?」
「そうですね、あなたの新人公演で演じた役は、咲みちるさんの相手役の方がやられた役だったとか。通し稽古をみた咲さんがあなたにこう言ったそうですね――コピーを見ているようで気持ち悪い……と。その後、しばらく間が空き、そのお相手役の方が亡くなられた。咲さんの言葉に傷ついたあなたが仕返しをしたからでは? とか。そういう噂が流れ、次第に疎遠になっていった。咲さんのサヨナラ公演、あなたは特に理由も公にせず出演を休んでいましたね。そのこともあり、確執はあったと噂が広まった」

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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