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歴史・時代

禁断の大地

   

 19世紀、イギリスの新進気鋭の冒険家ジョンは、美しき女王が治めるお宝の国へと向っていた。だがそこは、現地の人間から、『禁断の大地』と恐れられている場所だった。
 その大地に足を踏み入れたジョンに待ち受けていたものとは…。

 

 ジョンは、柱に括りつけられた。
 上半身は裸にされ、荒縄で縛り付けられていた。
 太陽が、ジリジリと照りつけていた。イギリスの太陽に比べて、2倍近くあった。こんなに大きな太陽を見たことはなかった。
 白い裸は、照り付ける太陽で真っ赤になり、ささくれ立った荒縄がチクチクと肌を刺激した。
 ジョンの後ろからは、ブツブツと何やら一心に祈りを捧げる男の声がしていた。
 ときおり、ジョンに対する恨み言もこもっていた。
「あんたのせいだ。あんたのせいで、こんなことになったんだ。私は、止めろって言ったのに。ここは禁断の大地だから絶対に入るのは駄目だって言ったのに。それなのに、あんたは…。ああ、私はこんなところで死にたくないよ」
 ジョンの後ろで、同じように柱に縛られていた男は、泣き崩れてしまった。
 ジョンは、男に言った。
「いまさら恨み言を言うな。どうにか助かる方法を探すんだ」
「助かるって? 助かる? どうやって? 周りをよく見てみろ! 逃げ出す場所なんてありはしない!」
 確かに、周囲は漆黒の肌をもった人々に囲まれていた。

 

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