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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

愛の果て。守りたいのは、愛しい人。 5

   2016年8月25日  

あきらは恩師の助言を受け、エリカを助けるために行動を起こした。
しかし、再会の喜びもつかの間、新たな事件が起きてしまう。
そこで、エリカを追っていた刑事と鉢合わせに…

 

「では、付き人さんの判断としましょう。付き人とは連絡を取り合っていた」
「六実さんと取り合っていたのであれば、ここに彼女がいない理由をエリカに問うことはしないと思いません?」
 ――たしかに、思わず頷きそうになった。
 誰からも情報を得ずここを引き当てたのだとしたら、勘が鋭いどころではない。
 エリカに発信器でも付けているのかと思うくらいの確率だと思った。
「あら、もう終わり? では話は終わりね。さあ、ホテルに戻るわよ、エリカ。そこで別の避難先を決めましょう」
 しかし、今度はエリカが力づくで抵抗をした。
 エリカも小柄ではあったが、静子よりは背丈があるし若さもある。
 小手先ではなく身体全体を使って抵抗すれば、なんてとこないくらいあっさりと掴まれていた腕が解放された。
「お母さん、私はあきらと一緒にいる」
「許しません。天藤あきらといると、あなたが駄目になってしまう。やっとやっと叶うというのに。私の夢、私の希望。私にはエリカ、あなたしかいないというのに」
「お母さん! 私、今までお母さんに反抗的なことをした? 私なりにお母さんの言葉に従ってきたつもり。でもね、少し距離を置きたいの。芝居からも芸能界からも。私、ひとりの女性としての時間がほしい。甘利エリカの時間がほしい。ずっととは言わない。数日でいいの、お願い」
 悲痛な声、今にでも泣きそうな顔で頭を下げるエリカ。
 演技ではないと、あきらも静子にもわかる。
 静子にとってははじめてのことだったのだろう、エリカに芝居以外で意見されるのが。
 あきらもかつて、自分探しのような時間がほしいとおもったことがある。
 抜け出すのに三年くらいかかった……今のエリカの気持ちがわかりすぎて胸が痛い。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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