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第九話 三流先生、二流先生と遭遇する!

   2016年8月31日  

三流仲間たちと楽しい飲み会をしていた三流先生だったが、思わぬ中断が入った。
二流先生と呼ばれている謎の男が店のフロントで暴れて事態は大珍事に。
三流先生は、二流先生のことを知っている先輩から話を聞くが……。
暴走する二流先生、荒れくれる店内……三流先生、さてあなたはどうする!?

 

 店内は、とても穏やかではないことが起きていた。
 三流先生が奥の席から様子を見るところ、フロント付近で騒ぎが起きている。

「おらおらー! 俺様は二流先生だぜ、ちきしょー!! 恐れと共にひれ伏せよ、三流どもめ!! ぺっ、ぺっ!!」

 どうやら、見るからに柄の悪い悪党だ。
 見た目が三流のヤクザだが、どうやらそっち方面の人間ではないらしい。
 しかも、三流を罵倒しながらフロントで暴れているところを見ると、三流仲間ですらないだろう。

「どうしたの!?」

 アリサが席を立ち、フロントへ向かう。
 フロントにいたメイドの子が、泣きながらアリサのもとへ走って来た。

「うわあああああん、この変なヤクザみたいな人にお尻を触られたんですー!」

 どうやらヤクザ風情の男は、痴漢までやったようだ。

「ああん? 三流キャバ嬢のケツを触ってなにが悪いんだよ? 俺様は二流だよ、すごいんだよ!! ぷはーっ!!」

 この最低の男は痴漢を正当化した上に、相当、ぐでんぐでんに酔っ払っていた。

「お客様。申し訳ありませんが、当店のメイドに対する迷惑行為、そして泥酔(でいすい)状態でのご入場は固くお断りしています。お引き取り願えませんか?」

 アリサは業務的な態度で、きっぱりと退場を勧告した。
 店内の誰もが見守る中、酔っ払いは、かっかっか、と笑い出した。

「んだよ、こら! 俺様は偉いんだぞ!! 天才なんだぞ!!」

 最低男は、酔ったついでにカッとなり、ついに手を挙げる。
 誰もが、アリサが殴られる、と思った瞬間……。

「ちょい待てよ、お客さん! メイド長の勧告が耳に入らなかったんじゃねえだろう?」

 いかついスーツ姿でサングラスの男が慌てて出てきて、男の挙げた右手をがっちりと捕らえた。そして、ひねりを加える。
 いわゆる、この手の店を警備している「怖いお兄さん」の登場である。

「て、てめえ! その汚ねえ手を離せよ! 俺様を誰だと心得る!? 俺様は、二流先生だぞ! 天下の二流の作家だ! 貴様ら三流のクズどもがどんなにがんばってもたどり着けない高いところにいる目上だぞ!」

 さて、二流先生と名乗った男は、用心棒の男に取り押さえられながらも、じたばたとわめき続けるのであるが……。

***

 

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