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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

愛の果て。守りたいのは、愛しい人。 8

   2016年9月6日  

話は進み、流れがエリカとあきらのことに。
エリカはずっと、母が反対していたから別れさせられたと思っていた。
しかし、真実は――

 

「歌穂の言うとおり、誰だって負の感情を持つのよ。妬みがいけないってわけじゃなくて、その妬みを何に変えるかで変わっていくと思う。咲さんはさ、それが上手くできなかったんだと思う。より所の幼なじみが亡くなってさらに飛躍したのってエリカだよね。殺意まではなくても何か仕返ししたいって思っていたと思うよ」
「じゃあ、周子さんは噂の根元は咲みちるだって言うの?」
「まあ、すべてではないけど。後輩の中に咲派もいただろうから、そこから尾鰭がついた可能性も。確執あたりはそうなんじゃない? 彼女のサヨナラ公演も急に変更したものだし、エリカがその時期舞台に立たなかったのは、先を見越しての休養、だったよね? たしか、足を痛めてたんだっけ?」
 ――と休養の真意を知って驚く面々。
 なぜ黙っていたと憤慨しながら呆れるあきらに対し、エリカは
「時期が時期だから、伏せておきましょうってなったのよ。周子さんも広報だったから、その辺知ってましたよね?」
 と話を周子にふる。
「うん……怪我っていうのがね、練習でってことじゃなかったし」
「それって、嫌がらせってことか?」
「だから、あきらさん。エリカに好意持っている人はそういう反応をするでしょう。だから伏せましょうって」
「なんにしても、怪我は私の不注意だから。もう済んだ事よ、あきら」
 エリカがあきらをなだめることで、とりあえずこの件はここで終わりになった。
「咲さんとエリカの確執云々の発端はわかったけど、結局のところ咲さんの幼なじみの死因ってなんだったの?」
 もう、そこが一番大事なところでしょ! と言わんばかりの口調で歌穂が周子に食い下がった。
「あれは、限りなく事故に近い他殺だったと思う。ううん、限りなく他殺に近い事故かな。警察は事故死と断定したでしょう。最初は自殺説がでていたし、劇団としては他殺以上に自殺は回避したかったのよ。自殺だとその理由付けが必要だし、劇団としては落ち度がないと言えたけど、役者の本心はわからないから」

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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