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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

Egg~ノクターン~END

   2016年9月9日  

 無機質で、冷たい部屋。いつでも、引っ越せるような寂しい部屋。
 ……そう、モノトーンの部屋に、独り取り残されたまま泣き崩れている……。

 いよいよ最終回!!

 

 駄目だ……言葉が……出てこないよ……。

 ララが笑ったように見えた。
「……殺せ……」
 確かに、聞こえた。
「……何? ……言ってるの?」
 口元が痙攣しているかのように引きつる。馬鹿なこと……言わないで……。
「……俺を殺る事……それが……最強である事……俺と、生きる……意味……」
 声にはならなかった。けど、私には確かに届いた。……そう、届いた。
「馬鹿なこと言わないでよ!!なんで、そんな……身勝手だよ!」
 精一杯怒鳴った。
 力の抜ける感覚、遅くなる拍動、徐々に温かみを失う体温、血の気のない皮膚……全てを自分の事の様に感じながら、それを否定したくて叫んだ。

「……地獄で待ってる……」

 いつだって、ララは否定して欲しい時に、否定しない。

 私だけ生きて、どうするのさ?
 ねぇ、教えてよ。

「……楽に……」
 弾の当たり所が悪かった様で、ララの身体が苦しみに悶えながら、そう叫んだ。

 私は、彼の唇へと最初で最後の口付けを交わすと、気が狂ったように拳銃を握り締めた。

 ……一発……

 ……二発……

 ……三発……

 ……………………

 ………………

 …………

 ……こうする事で……ララは……救われたんだろうか……?

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 この真っ赤な血液が、全て薔薇であればいい。
 何度も、何度も祈ったけれど、奇跡は起こらなかった。
 ただ、彼は……ララは、優しい寝顔をしていただけ。

「あぁぁぁぁぁぁ……!!」

 私もこめかみへと銃口を向けたのだけれど、昨晩のララの様に引き金を引くことは出来なかった。

*****

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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