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ラブストーリー

それぞれのクリスマスイヴ

   

この物語は『海面に焦がれる深海魚達』 『月から降臨し愛しき者』 『麗しき生徒会長様』 『俺達の可憐な堕天使』 『危険な年下の彼』
 の登場人物による、クリスマスパーティの様子を書いた作品です。上記の作品を読まれてからのほうが楽しめる作品になっています。
 クリスマス企画として掲載いたしますので、ご注意くださいね。

 

 2007年ももうすぐ終わりを迎える季節。日本人でありながら、心躍る季節。

 11月を過ぎると、街は一斉に華やかになってゆく。色とりどりのネオンは、見る人々の目を楽しませ、心を弾ませてゆく。
 巨大クリスマスツリーの点灯式を迎える頃には、誰もがクリスマスソングを小さく口ずさんでしまう。

 OCEANにも真っ白なクリスマスツリーが飾られていた。

「春斗、一番上頼む。届かないつーの」
「おう、まかせとき」

「てか、可憐!瑠美(ルミ)が泣いてるじゃん!オッパイじゃないのかよ」
「やーね、雅ちゃん。赤ちゃんが泣いたら、必ずオッパイじゃないのよ。あの泣き方は甘えてるのよ。あっ、なんなら雅のオッパイ咥えさせてみる?うふふ」

「がはっ、なんであたしがおっぱいあげるんだよ。しかもでねぇーし……」

「そうじゃ、雅のおっぱいは俺のもんじゃきな、ククク」
「春斗っ!!」

 深海魚のメンツ達も集まって、来たるイヴのパーティーに向けてのオーナメント飾りをしていた。

 大河と可憐のベイビィは瑠璃色の海をイメージして『瑠美 ルミ』と名づけられた。
 可憐譲りの可愛い女の子。小さな口を一杯に広げて、大きな声で泣いている。

「あらら、瑠美ちゅわぁ~ん。どうちたんですか?ほらパパが抱っこしてあげまちゅよ」

 駆け寄った大河は瑠美をひょいと抱き上げる。するとぴたりと泣き止み、なおかつ大河の顔にもみじのような小さな手を押し付け、天使の笑顔を振りまいていた。
 もう、この顔にメロメロで完全に世界一の親馬鹿なのだった。

「どう思う?大河のあの態度。瑠美が生まれてから、あたしなんてほったらかしよ」
 白い頬を膨らませて、ピンクの唇を尖らせる可憐。

「ぶはははっ!仕方ないじゃんかよ。今、大河の恋人は瑠美なんだからさ。しかし……あの赤ちゃん言葉はどうにかならねぇーのかよ? キモイつーの」

「しらないわ。毎日聞いてるからあたしは慣れちゃったけど。あっ…でもあたしも言ってるかも。ふふふ」

 瑠美が生まれて、幸せ一杯の大河と可憐。
 自分達が持てなかった穏やかな家庭。
 自分達が受け取れなかった愛情を、わが子に存分に注いでいた。

 

-ラブストーリー


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