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ラブストーリー

ノエルの鐘

   

 ノエル――クリスマスの日。
 教会の時計を管理しているジョセットじいさんは、朝から大忙しだった。
 年に1度、クリスマスの夜にだけ時計の鐘が鳴るのだ。彼は、鐘が無事に鳴るように、朝から整備していたのだが、そこに1人に青年がやってきて…。

 

 クリスマス――ジョセットじいさんは、朝から大忙しだった。
 丘の上にある教会には、機械仕掛けの時計があった。年に1度、クリスマスの夜にだけ、その時計の鐘が鳴った。ジョセットじいさんは、機械仕掛けの時計の整備で大忙しだった。
 機械に油を差し、ピカピカに磨き上げた。
 ジョセットじいさんは、何十年と教会の時計を守ってきた。彼の人生の全てが、教会の時計とともにあった。
 春の温かい日差しの下でも、真夏の蒸し風呂のような教会の中でも、秋の涼やかな風の中でも、冬の凍てつく大地の上でも、雨の日も、風の日も、嵐の日も、彼は時計を守り続けた。
 それが、彼の人生の全てのように。
 ジョセットじいさんは、今年も無事に綺麗な音色を奏でてくれよと、心を込めて磨いた。

 

-ラブストーリー


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