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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season15-3

   

 三人は城山温泉にまできた。片道五時間くらいかかった。すっかり疲れ切ってしまった。

 特に御影はトリップ気分できていたが、甘くなかった。しかしほかの一般の旅行客を見ていると、ちょっと魔がさしてバカンスに浸りたい気分になるのはしかたがない。

 地ビールなどのちらしやのぼりを見ると、フラフラと誘われてしまうのは、職務中の探偵でも気分転換という理由が成り立つのだ。

 とりあえず食事をすませて、バスにのり豊岡北警察署まで揺られながら到着。

 黒羽警部と入口のところで出会った。すぐに女性が遺体となって発見された川へ、連れていくといった。

 主要メンバーの刑事、比野宮、咲下、そして伊根が捜査していた。

 その中でも癖の強い伊根は探偵を毛嫌いしていた。川上もこういうやつはいけ好かなかった。

 しかし、火守はいう。これが刑事の姿だ。御影も同感だった。

 

 大地は、野村議員の号泣謝罪会見を見てはニコニコしていた。

「大地ちゃん好きね、この男のみっともない姿をみるの…、わたしは腹が立ってくるからみたくないけど」水桐がいった。

「おもしろい」大地はひと言いって、柔らかいみたらし団子と温かい緑茶で憩いにひたっていた。「うける」

「まぁたしかにそのとおりね、滑稽だわ。こいつの今後の人生に陽は差さないでしょうね」目を細めどうでもいいような感想をいった。

「つづいてのニュースです…、兵庫県の城山温泉付近の山奥で女性の変死体が発見されたもよう、事件についてはいまだに捜査中です」

「これってたしかいま…」水桐がいった。

「そうだ」雲田がパソコン画面を見ながら答えた。「御影たちが調査におもむいている」

「でも、たいへんな事件だと思うけど…」水桐がいいたいことはほかの者も感じていた。

「これ、御影くんがずっと気にしていた。新聞もちょっとした記事になってなかった。そして、いまもニュースで流れたのはわずか8秒で終わった」大地がいった。

「もう少し情報流すわよね。なにもわかってないの、兵庫県警って、やっぱりなんか野暮ね。野村が議員なんてやっているくらいだから」水桐は鼻で笑った。

「そうでもない。御影はしっかりと納得のいく着眼点を持って、わたしに話してくれた」雲田はいった。「そして、託した。調べるようにね」

「なにをよ」水桐は不満そうな顔でいった。

 ふん、と雲田は鼻で笑った。めずらしく勝ち誇るかのようにだ。よっぽどおもしろい事実を掴んだようだ。

「きもいわね」水桐はいった。「ねぇ、大地ちゃん」

「…」大地は雲田にたいしてのコメントを無視した。

 

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