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SF・ファンタジー・ホラー

なな★しき 〜次元管理員 七尾と志紀子〜 第6章 襲撃、崩れる日常

   

 学園の生徒が何者かに襲われた。

 怯える生徒たちの様子に、七尾と志紀子は、敵との戦いが本格化する予感と、崩されていく日常を感じ始めていた。

 次元ゲートも潰され応援が望めない事態により、孤立させられた二人は──

 

 ──事件は、唐突に起こった。

《きゃああああ──ッ!?》

 特別教室棟は、八階建て。その最上階、ミーティングルームの窓から一人の女子生徒が落ちたのである。
 地上から目撃した者によれば「誰かに突き落とされたように見えた」「彼女の後ろに人影を見た」とのこと。
「でも、あっという間に消えちゃったんです」
「俺たちに見えないところまで下がったっていうより、その場で人影が消えちまったんです」
 必死に訴える生徒たちにより、警察の現場検証が入ることになり──

 ──まだ落ち着きを見せぬ、翌朝の。

《イヤアアアアアッ!!》

《う、うあああ……!》

 目撃証言をした生徒たちが次々と襲われた。
 命に別状はなかったが、目撃者は出てこない。何より被害者当人たちが、教師や警察からの質問にガクガク震えるばかりで会話にならない。
「な、何が起こってるの……?」
「現場のミーティングルームって警察の見張りがいたんだよね? 犯人は、そこを抜けて犯行に及んだってことなるんだけど……」
「口封じ……?」
「やだ……。学校行きたくない」
 不安がる生徒の声に応え、数日間の休校が決まった。
 学寮で生活する生徒たちは、希望者には一時帰宅が許され、残る生徒には学寮内の食堂がフリールームとして解放された。

 そして──七尾と志紀子には。

「海外の次元ゲートがつぶされた」
「えっ」
「次元管理機構からの応援は、しばらく望めない」
「……そう」
 二人は、孤立させられたようだ。
「生徒たちの命が無事だったのは、せめてもの幸いだけど」
「おそらく──あえて──だ」
「……だよね」
 簡単に察しが付いた。
「私たちへの宣戦布告」
「ああ」

 日常の均衡が、崩されていく。

 

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