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なな★しき 〜次元管理員 七尾と志紀子〜 第2章 志紀子、舞う

   

 別の次元からやってきた少年、七尾零の正体は「次元管理員」。

 七尾からその任務内容を明かされた志紀子は、自分の持つ実力をもって、彼の手助けを
しようと買って出るが……。

 

「志紀子ー、志紀子」
「……」
「志紀子ってば。おーい?」
「…………」
「しーきーこーさーん!?」
「!」
 数度呼ばれ、やっと顔をあげた志紀子の真ん前に、クラスメイトの二人がいた。
「……あ、まなちゃん、ともちゃん。何?」
「何? じゃないわよぉ」
「ぼーっとして、朝からじゃない?」
「えっ」
 朝から。そのキーワードに教室の時計を見ると、ちょうど昼休みに入ったところだった。 
「お昼いこ~」
 全寮制のこの学園では、生徒全員が学食である。当然、志紀子を含む三人も例外ではないのだが。
「あ……ごめん。私、今日はダメなんだ」
「へ?」
「また明日誘ってくれると嬉しいな。本当にごめんね!」
 何か慌てたように、志紀子は去ってしまったのである。
「ダメって、何が?」
「……さあ?」
 この二人と志紀子は、誘う誘わないというより「いつも一緒」であり、昼食も当たり前のように共にとっているほどの間柄なのだが。
「心当たりある?」
「ううん」
 昨日からどうも様子が変だと、首を傾げて考えていると。

『ねーねー。あそこにいるのって、〈七不思議の七尾〉じゃないの?』
『へぇ。初めて見た。あいつがそうなんだぁ~』
『つか、誰かと一緒にいるの珍しくない?』

 その話題につられて窓の外を見ると、そこには。
「あれ、志紀子じゃない?」
「え~? 七不思議と知り合いだったんだ?」
 七尾の腕を引っ張り、急ぎ足で校舎の陰に姿を消した志紀子がいたのである。

 

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