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ファンタジー

マリアベル戦記 第十七話 ドSメイド 5

   

カップル成立祝いにリディアが求めたものは、聖剣ルヴェリスを見てみることだったのだが……

 

「なればいいだろ。というかなってくれないと俺にその役目が回ってきてリディアとの結婚を邪魔される」
「それもそうか。よし。ならリディア。アオイからオレに乗り換えない?」
「ええっ!?」
「ちょっと待てやコラ!!」
「まあセレナティオ公爵家ほどの後ろ盾にはなれないかもしれないけどさ~。オレもなかなか優良物件だと思うぜ。聖剣の所有者だからな。リディアの立場を守るには十分すぎるほどの力は持ってるし」
「だから待てってっ! 人の彼女を奪おうとするなっ! リディアは俺のものだっ!」
「うわー。さっそく所有権を主張か~。愛されてるね、リディア」
「あうあう……」
 からかい混じりに言うハヅキに赤面するリディア。
 どうやら冗談だったらしい。
 まあ本気になられても困るけど。
「驚かせるなよ……」
「いや、半分ぐらい本気だったけど?」
「てめえ……」
「はははは。でもリディアはアオイ一筋みたいだし、オレが割り込むのは難しそうだなぁ」
「当たり前だ」
「惚気?」
「事実だ」
「惚気じゃん」
「ふん」
 ニヤニヤするハヅキに何も言い返せなくなる。
「リディア。愛人でもいいから気が向いたらオレとラブラブしような~」
「し、しませんっ!」
「うわ。寂しいな。即答されたよ」
「あ……あう……ご、ごめんなさい……」
 わざとらしく大げさに落ち込むハヅキに申し訳ない気持ちになったのか、リディアが謝る。
「おい、リディア。こんな奴に謝る必要はないぞ。どうせからかっているだけなんだから」
「そうなんですか?」
「まあね~」
「ほらな」
「うぅ~」
 二人してリディアをからかっているのが分かったのか、少しだけむくれた。
 むくれた顔も可愛いから余計にからかいたくなるということに気づいていない。
「あ、そうだ。せっかく実質的な婚約者同士になれたんだから、オレからも何かお祝いをやらないとな。リディア、何がいい?」
「え? お祝いですか?」
「そう。めでたいことにはお祝いがつきものだろ? 何か欲しいものがあれば言ってみろよ。何でもいいぞ」
「な、何でもですか?」
「おう。まあ領地とか言われたら困るけど」
 皇子であっても領地を持たないハヅキにはあげようがない。
 俺は領地ならいくつも持っているけど、リディアがそんなものを欲しがるとも思えないし。
「りょ、領地なんて欲しくないですよ」
「だろうな~。まあ金ならそれなりにもってるから、装飾品でも、ドレスでも、何か美味しいものでも、なんでもいいぞ」
「何でも……」
 うーん、と悩み始めるリディア。
 遠慮するつもりはないらしい。
 リディアは俺とハヅキにはそういう遠慮をしない。
 それだけ心を開いてくれているのだと思うと嬉しくなる。
「物じゃなくてもいいんですか?」
「ん? いいけど。なになに? 物じゃないって面白そうだな。まさかオレのハート? ラブ?」
「ち、違いますよっ!」
「はっきり言われると傷つく……」
「ご、ごめんなさい……」
「ほっとけ。からかわれてるだけだから」
「あう……」
 いちいちオーバーなリアクションをしてくるハヅキに振り回されるリディアも可愛いのだが、しかし他の男に振り回されるのは面白くない。
 たとえハヅキだろうと、面白くないものは面白くないのだ。
「はっはっは。やっぱりリディアはからかい甲斐があるなぁ」
「うぅ~」
「それで? 物じゃないなら何が欲しいんだ? オレに出来ることなら可能な限り叶えてやるぞ。浮気したいでもオッケーだ」
「しませんっ!」
「させるかっ!」
 二人してハヅキを怒鳴りつける。
 悪ふざけがすぎるぞこの野郎。

 

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