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ラブストーリー

恋する僕ら-約束のしかた<2>

   

ももと理沙の、淡くほんわかとしたお話第二話を贈ります。
どうぞご堪能くださいませ。

***抜粋***

 彼の説明に理沙の存在は欠かせない。
 それくらいに、ももは理沙と一緒だった。
 ももは気に入ったものしか興味を抱かない。美術科で、左利きで、絵描き志望の高校生。

 実は密かに、理沙の人形を模写するのが好きで。

 理沙の寝ている姿を模写するのが、そんな彼のひそかな楽しみだという事は、本人ですら自覚していない。

 そんな彼に訪れた展開に、戸惑うのは本人と。
 そして。

***抜粋***

(読者様へ:遅筆でごめんなさい。頑張ります)

 

 音瀬理沙(おとせりさ)には変わった友達が居る。
 同じクラスの隣席。
 立川まどかは、女の子みたいな男の子。
 彼女がももと呼ぶまどかは、その名前が何より女の子っぽい。
 見た目がもも色のイメージだからと理沙に「もも」と名付けられた彼は、背も高くなく低くもなく、筋肉もさほどという平凡体型で、いつものほほんとした雰囲気漂う、至ってごく普通の平凡少年だった。
 若干、見た目が女の子っぽいくらい。
 それに反する為か右手にはごてごてとしたカジュアル時計が常備してあって、血の繋がっていないお兄さんからのお下がりで。
 革ベルトに垂れ下げたチェーンの先には彼の友達である安西作の皮財布があって、チェーンの根元には理沙が作ったミニ理沙人形が寄り添っている。しかも何気に小銭入れ。
 そんなまどか、もといももは誰から見てもかなりの世話好きで、友達である理沙を妹のように可愛がっている節がある。
 彼の説明に理沙の存在は欠かせない。
 それくらいに、ももは理沙と一緒だった。
 ももは気に入ったものしか興味を抱かない。美術科で、左利きで、絵描き志望の高校生。

 実は密かに、理沙の人形を模写するのが好きで。

 理沙の寝ている姿を模写するのが、そんな彼のひそかな楽しみだという事は、本人ですら自覚していない。

 そんな彼に訪れた展開に、戸惑うのは本人と。
 そして。

○○○

「はあ」
 ダンパに誘われた。それは喜ばしい事だと思う。なのに何故、ため息が出るのか。
 その理由に気付かない程、僕は子供じゃないわけで。
「憂鬱だなあ」
 そんな感想が漏れる理由に思い当たらない程、間抜けでもない。
 気持ちに引きずられてか足が重い。
 しばらく歩いて、廊下の端で立ち止まる。気分は晴れない。少しでもこの落ち込んだ気持ちを軽くしようと外の景色を眺めようと思い立ち、無駄なあがきと知りながらも、開け放たれた窓に近付いた。
 生徒会室兼文化祭実行委員準備室という長い名目の部屋に、帰らないといけないのに帰れない。
「あーあ」
 理沙が待っているのに。
 頭に浮かぶ友達の待ちくたびれたふて顔に、僕は軽く謝罪した。

 

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